ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode4 暗示 ( No.7 )
- 日時: 2010/07/10 17:24
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆kaIJiHXrg2 (ID: cYSZrqDn)
その、流が転生したかのような女と俺の周りに見物に来た野次馬共が周囲を囲む。
「良いぞ!ネェチャン!」
「殺せー!!」
軽く野次馬にはイラッと来る。
何だか回りを飛ぶ蝿みたいな、そんな苛立ちが…。
そしてまた、俺は相手を怯ませるがために、
心無い事を言う。
「解体を…始めようか!」
ああ、我ながらやはり敵キャラの言う台詞…。
そう思いながらそいつに突っ込む!
奴は…後ろへ引かず前へ出る !?
そして、俺に攻撃をするかと思えばす通りし、
先ほど吹き飛ばしたオヤジのぶつかったネオンのチューブを手に取る!
マズイ!鞭だ!
その鞭は、早い!鞭鞭というが、鞭と言う武器はモドキですらとんでもない威力に達する。
硬い紐を思いっきり振ると、何にも当たっていないのにバンッと言う音がする。
それは、音速を超えたがためにでる、衝撃波がぶつかる音!
それが、俺の背中を捕らえる!
「う゛ッ!何するんだよ、いてぇじゃねえか」
ついつい本性が…。
しかし、多少の事は生き返ったばかりのコイツには分からない!
口調なんて気にする余裕など無いからだ!
その攻撃で、フードが取れたが、まだ仮面がある!
会社でもらった、気力が尽きると自動的にワープさせられる仮面だ、
最悪倒されても平気だが、確保しなくては!
とっさに最近得たばかりのコントロールの効かない電撃をとばす!
奴の持っているチューブのネオンが色鮮やかに点滅したのを見て相手も俺の力の事を悟る!
「君…何者 !? 」
「ただの暗殺会社の社員だ」
「まるで超人ね!」
相手は地面を蹴り、一気に間合いを詰め、
一撃で決めるつもりで鞭もといチューブを俺に叩きつける!
とっさに手に集中していた電撃を全身に分散し、
チューブを自分でも驚くほど驚異的な速さで掴む!
「お前の身体能力も超人的だな。悪いが壊すぞ。生き返ってここに居る理由を探していたのだろうが、俺達にはお前のような蘇生者が必要なんだ」
そういい、再び驚異的な速さで体が動き、
相手の腕を掴む!
掴んだとたん、回りの群集の隙間から小さな石が恐ろしいまでの威力で俺に叩きつけられた。
「そこまでだ、その女は我が会社がスカウトする」
現れたのは…黒髪の男!
話に聞いたサタンと言う魔王か !?
未来に魔王という存在が居る事自体、固定概念をぶち壊すが、
それ以前に気をつけろといっていた相手で、
なおかつ幹部クラスが束になってかすり傷一つつかなかったと言う事まで聞かされた!
しかし、俺には電撃が有るんだ、負けるわけが無い!
そう、考え無しに突っ込んだのが間違いだった。
奴は、電撃を避け、弾き、俺に近寄らずに吹き飛ばしてまで見せた。
敵う相手ではない、無かった!
そんな敵に戦いを挑んだ事を後悔しながら、
仮面が俺を会社へと飛ばした。
「あらら、あれほど言ったのに。魔王に喧嘩を売るなって」