ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Last target is ———you? ( No.8 )
- 日時: 2010/06/27 21:32
- 名前: 白柊 (ID: COldU63y)
- 参照: http://吹奏楽部所属です♪ お話できる方は気軽にどうぞ^^
∮#2 know name———∮
……見つからない様に、部屋で寝かせておこうか。
結局、そう考え部屋へと運んだ。
私の部屋のベッドは何故か大きめで、青年1人寝ても十分大丈夫な大きさだった。
青年をベッドの前に少し座らせる。
寝かせる前に服と汚れをどうにかした方が良いだろうと思ったからだ。
洗面器にぬるま湯を入れて、タオルを用意する。
服は……やや男っぽい私のパジャマで良いか。
お湯とタオル、そしてパジャマを持ち部屋へ入る。
青年は……やっぱり寝ていた。
熟睡と言うか……生きているか? と思うくらい寝ていた。
なるべく青年を起こさない風にしてタオルで身体を拭く。
髪はどうしようか、と思ったが何故か汚れていなかったので石だけ取り除いておいた。
服をさっさと着せ、ベッドに置こう……とした時だった。
「……お……前は……誰……だ?」
青年は、目を覚ました。
言葉は日本語で、一応人語は話せる様だ。
思ったより……人に近いかもしれない、と思う。
とりあえず、自分の名前は答えておこう。
「夜崎ユリ……ユリで、良いよ」
青年はそうか、と頷いた。
一応名前を聞いておくのが良いのだろうか。
ちょっと考えてから、私も青年の名前を聞く事にする。
「……貴方の名前は?」
「私か? 私の名前は……ルファだ」
ルファ……か。
何となく聞いた事のある様な響きだ。
名前からして国籍はなかなか推測出来ない。
そもそも何処の国、と言ってもまさか翼の生えた人間が居る国なんて地球上に無いとは思うけど。
「何処から来たの?」
「……分からない、情景のみならうっすらと覚えているが」
分からない?
まぁ、地球外などだったら何処がどう言う場所の地名だなんて知りもしないかもしれないが。
……それにしても、気になるな。
分からないのも、情景のみ覚えているのも。
「……親とか友達とかは?」
「覚えていない……」
え? 覚えていない?
いくら何でも、それは無いだろう。
まさか、ルファは……
「記憶喪失なの?」
「……そう、なのかもしれない」
ルファは少し哀しげに、答えた。