ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 悪魔達の宝探しゲーム ( No.13 )
日時: 2010/07/01 06:34
名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: CkpTUGPA)

第2話


引き金を引いたとたん、巨大な銃が火を噴き、爆音が上がった。
ルシファーは両耳を手でふさぎ、アスモデウスを見ていた。
アスモデウスが一瞬、こちらに目を向けた。
だが、その時にはすべてが遅すぎた。
ベリアルは無表情のまま、大きな銃を戦車の隅に置いた。

「……アスモデウス様、ドラゴンごと落ちて行きましたよ。多分、花畑あたりに落ちましたね」

「そのようだな。ベリアル、あいつが落ちたところへ行ってくれ」

ルシファーはそう言い、天使のような笑顔を見せた。
だが、彼のとる行動は、悪魔そのものだとベリアルは思った。
ベリアルは小さなため息をつき、アスモデウスの落ちた、花畑へと向かった。


ルシファーとベリアルが向かった先には、色とりどりの花が咲いている花畑。
赤、青、黄、橙、桃などの花が一面に広がっている。
そして、そこには気絶している青いドラゴンと、背に生えた赤い翅が焦げている、アスモデウスが倒れていた。
ベリアルはそこで戦車を止め、戦車から降りる。
ルシファーも戦車から降り、アスモデウスのところへ歩いて行く。

「どうしたのだ、アスモデウス。このようなところで倒れて……、翅も、少し焦げているな」

ルシファーは、爽やかな笑顔でそう声をかけた。
アスモデウスは勢いよく立ちあがり、ルシファーを睨みつけた。

「何言ってんだよ、お前がやったんだろうが!」
「それは、地面にめり込んでいる者を助けた相手に対して言う言葉か?」

アスモデウスはルシファーに怒鳴り、ルシファーはそれを何事もないかのようにさらりと受け流す。
アスモデウスは、場所も相手も、何もかも無視してルシファーを殴りたいと思った。

「もとはといえば、時間に遅れた貴様が悪いのだろう?」

ルシファーがそう言って、小さなため息をついた。
ベリアルがアスモデウスに銃を向け、引き金を引いた時。
ちょうどその時が、ルシファーとアスモデウスが会う約束をしていた時間だったのだ。

「なんだよそれ……確かに少し遅れたかもしんねぇけど、あんなやり方ねぇだろ!?」

アスモデウスはそう怒鳴る。
アスモデウスの怒声を聞き、ベリアルはため息をついた。