ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪魔達の宝探しゲーム ( No.15 )
- 日時: 2010/07/08 06:50
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: gpPx10DG)
第3話
今にも取っ組みあいでもはじめそうな2人の悪魔と、それを見守る1人の悪魔を見て、ドゥマはため息をついた。
アスモデウスに手紙を渡されたかと思えば、アスモデウスの住んでいる屋敷にアスモデウスはいない。
ベリアルに呼び出されてきたと思えば、なんだ、あれは……。
ドゥマはそう思いながら、ベリアルの近くまで歩いて行く。
「……なんだい、あれは」
「あれはですね、まぁ、話せば長くなるのですが……」
ベリアルが、ドゥマの問いに答える。
ベリアルは今までも事を、詳しく話した。
ドゥマはベリアルの話を聞き、ため息をついた。
「ほら、二人とも、止めなよ。人のことを呼び出しておいて、喧嘩に付き合わせる気?」
ドゥマは手を2回叩き、そう言った。
2人はドゥマの言葉を聞き、しぶしぶ睨みあいをやめる。
ドゥマは苦笑しながら、ベリアルの顔を見た。
ベリアルは、さっきまでほとんど何もかも諦めていた顔だったが、やわらかい微笑みを浮かべていた。
「じゃ、アスモデウス、そろそろ呼び出したわけを教えてくれないかい?」
「ん? 貴殿は、アスモデウスから何も聞いてないのか?」
「ん、それどういうこと? ルシファーは何か聞いたの?」
ドゥマの質問に、ルシファーは伏せ目がちで頷いた。
ドゥマが眉をひそめ、口元だけは笑いながらアスモデウスを見る。
アスモデウスは、思わずドゥマから目をそらした。
流石、地獄の七君主の1人と言えようか。凄い威圧感だ。
「なんで僕には話さないのかな。何、僕の大切な時間をそんなにも削りたいの? うん?」
「わ、わかった、ごめん。ちょっと落ち着け! な?」
アスモデウスがそう言って、ドゥマをなだめる。
ドゥマはコクリと頷き、しかめっ面でアスモデウスのほうを見る。
「じゃ、本題に入るぞ。ちゃんと聞いとけよ」
アスモデウスがそう言うと、3人の悪魔はコクリと頷いた。