ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪魔達の宝探しゲーム ( No.19 )
- 日時: 2010/07/03 16:57
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: TXIed2RW)
第5話
罪人達でゲームをすることを決めて、一週間後。
アスモデウスの屋敷には、多くの悪魔が集まっていた。
ベリアルとルシファーは窓からその光景を見ていた。
「……アスモデウス、あんなにお客さん来てるよ」
「そうみたいだな。そういえば、罪人達はどこやった?」
「図書室」
アスモデウスとドゥマの会話を聞きながら、ルシファーは窓の外を眺めていた。
しかし、アスモデウス、どうやってこんなに大勢の悪魔をここに呼んだんだ?
ルシファーはそう思いながら、頬杖をついた。
「ベリアルー、そろそろ罪人、別館の方に案内してやって」
アスモデウスがそう言って、金色の鍵をベリアルに渡した。
ベリアルはコクリと頷き、金の鍵を受け取り、部屋を出た。
アスモデウスも部屋から出て、悪魔達を呼びに行く。
その頃ベリアルは、図書室へ向かっていた。
図書室の扉をあけると、鎖に繋がれた罪人が10人いた。
その中に、見覚えのある銀髪の少年と、黒髪の少年がいた。
「畜生! ここから出せやこの野郎!」
「誘拐は他人を強制的に、また、偽計を用いて連れ去ることであり、これは立派な犯罪である! よって……」
10人の罪人のうち、8人は何も話さず、ただ震えているだけだが……。
この2人の少年は、とても元気がいい。というより、五月蠅い。
ベリアルは両耳をふさぎながら、クスクスと笑った。
ベリアルの笑い声を聞き、2人の少年は振り返った。
「お久しぶりですね、御主人、レオニード様……」
ベリアルはそう言って、軽く会釈をした。
2人の少年はベリアルを見て、ギャーギャーと騒ぐのをやめた。
黒髪の少年は、ベリアルの元主人、橋場 要。
銀髪の少年は、電波系人間、レオニード。
この2人を見て、ベリアルはやさしく微笑んだ。
「久しぶり。多分5、6年ぶりだな」
「そうですねぇ。あなた達が死んでから、どこに行ったかなんてわかりませんでしたし」
ベリアルがそう言いながら、要の手に付いた手錠を外し、鎖を解く。
「では、行きますよ。御主人」
「行くって、どこに?」
「……レオニード様も、後にわかると思います」
ベリアルはそう言い、要の手を引き、図書室を出た。