ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 壊れた愛を囁くの。 ( No.2 )
日時: 2010/06/29 19:01
名前: はるた ◆On3a/2Di9o (ID: V32VFdCN)

 毎日毎日見る同級生も、愛想笑いして話を合わせる自分も、代わり映えしない教室全てに飽き飽きしてくる。

 自分でもはっきりと言えるけど、あたしはつまらない人間だ。
とりえなんて無いし、熱中できるようなことも無い。何で生きてるのかも分からないし、産んでくれた親には悪いけどあたしみたいなのが“生きてる価値がない”って言うんだと思う。

 テレビではニュースがやっていて、最近少しずつ増加傾向にある、中高生の失踪事件について取り上げられていた。
何でも路上にバッグや靴などを路上に残したまま、消えてしまうそうだ。血痕なども残ってないし、怪しい人物を見かけたという話も出てない。その上この事件は一箇所で集中して起こっている訳でなく、全国北海道から沖縄まで全ての地方で起こっているそうだ。
そうは聞いても、あたしには本当に関係ない事件だと思う。どうせ宗教とか、若い人のカリスマ的な誰かが誘導してるとかそんな事件だ。

「籐花? 何してるの! 学校遅刻するわよ!」
 お母さんが、ソファーに腰掛てトーストをもぐもぐと咀嚼するあたしを見て急かせる。

 あたしの一日はいつもこんなスタートを切る。
つまらない、つまらない。何かが変化すればいいのに。何か、誰かが楽しい世界にどこか連れて行ってくれれば良いのに——

 * * *