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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SBS ——空の王者—— ( No.37 )
- 日時: 2010/07/10 23:24
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: BwWmaw9W)
黒い機体はスピードを出す。柔の後ろから逃れるように旋回する。
「ちっ。気付かれたか……!」
柔は迷うことなく、マシンガンを連射する。
空に大きな不協和音が響き渡った。
黒い機体——ソラニンは、素早い動きですべての弾を外す。
その時、ソラニンの操縦席からサーチライトでモールス信号を送る。
「『お前は何者だ』か……」
柔もサーチライトを取り出すと、それに答えた。
「SBS優勝者じゃない。優勝候補だ」
「簡潔に答えると、お前は敵か? 味方か?」
柔はその問いに、もっとも簡潔な問いで返した。
マシンガンをソラニンに撃つ。
連射をすると、ソラニンは勢いよくスピードを上げ、逃げる。
「敵だ」
最後にサーチライトを使って問いに答えたその瞬間、ソラニンは柔の方へとマシンガンを撃ってきた。
柔はおもいっきり全速力で逃げると、その後をぴったりとついてくるソラニン。ここから、壮絶な戦いが今、始まった——!
ソラニンが途切れることなくマシンガンで柔を撃ってくる。柔は、それを避けながら後ろを見て様子をうかがう。
「くっそ! このまま後ろをぴったりとついてこられちゃ狙う隙もない」
その時、マシンガンの連射が終わった。
「今だ!」
柔は、操縦席のレバーを引くと大きく旋回した。そのままマシンガンを連射する。マシンガンの弾は、装甲に少し傷をつけたでけで致命的ではない。
しかし、柔は余裕だった。ニヤリと思わず笑みが漏れる。
「引っかかったな」
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