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Re: 理想郷 ( No.62 )
日時: 2010/07/28 21:32
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: FwQAM/tA)

第五話

「今回の作戦にてこの隊の指揮を取るミッチェル・オズボーンだ。
 どうぞ宜しく頼む」

黒髪をオールバックにした、温厚そうな男は以外にも若く、ジュンイチは拍子抜けをした。
まぁこの若さで指揮を取れるって事はかなり優秀なんだろうと思いながら、ジュンイチは指定された戦車に乗った。
戦車には既に人が居て、メモリーオブザバトルフィールドの制服を着た年の近い東洋人が座っていた。
その東洋人はジュンイチを見て何やら喋りだした。

「你是不是亞細亞人、中國人?」

中国語か、て事は中国人かと思いながらジュンイチは首を振りながら「アイキャントスピックチャイニーズ」と言った。
中国人はふーんと言う顔をした後、

「なら日本人?それにしても君、英語の発音酷いね」

思わずジュンイチは吹き出してしまった。

「日本人だけどさ……何だよ、お前も日本人かよ」
「いやいや、僕は中国人だよ?育ちは日本だけどね。あ、名前はウェン・ロンウーだよ。今19歳のピッチピチ盛り頃。
 ところで君の名前何て言うの?」

よく喋る奴だなと思いながら、ジュンイチもロンウーに名前を言った。

「俺は如月ジュンイチ、同じく19」
「同い年だね、じゃあジュンイチ、無事二人揃って生き残ってられると良いね!」
「あぁ」

ロンウーはジュンイチに手を差し出す。
ジュンイチは差し出された手を握り、二人は握手をした。

「全員用意は良いか?これから作戦を開始する」

丁度そこに無線からにミッチェル・オズボーンの声が出てきた。
二人は無線に向かって「「了解!」」と言った。

「護衛の政府軍なんか蹴散らしてやる、こっちは金目当ての軍人とは一味違う」

ロンウーの声にジュンイチは頷き、作戦開始だ……遊楽都市なんか作らせてたまるか!と心の中で叫んだ。