ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

零。 ( No.1 )
日時: 2010/07/10 20:58
名前: 時代 (ID: 6XpHmYt9)
参照: 「御免なさい」って、言ってみろよ

お前は本当に人なのか、とそう問われれば違うと迷い無く答えられる自信はある。何より私は化け物だから、それは誰よりも私が一番知っている。
だけれど、それを言えば私が人の形をしているというだけで嘘だと奴らは責め立てる。それで人だと吐いても嘘だと言うのだから、どうしろと言うのか。
今宵の月はとても綺麗に輝いていたのだから、私が本当に人ではないと証明は出来ない。私が本当に人でないものになれるのは見えない月の出る晩だけだから。
「……嗚呼、母様」
どうして貴女は、私を産んだのですか?
私を産まなければ。若しくは父様と交わらなければ、私もこんな化け物にはならなかったかもしれないのに。
今更母様を呪っても恨んでも何にもならない事は分かっている。ただ、そうでもしなければその内私が死んでしまいそうになるから。理由はそれだけだ。
闇が森を包んだ。
それを不吉と云うか、ばけものと恐れるか。それは人次第なのだけど、これが明らかに自然のそれではない事は誰にでも明らかだろう。
どこかで、骨の鳴る音がした。



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