PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: abnormal children オリキャラ募集中です>< ( No.109 )
- 日時: 2011/02/18 21:32
- 名前: スサノオ (ID: chZuMjzt)
優は知っていた。今、入ってきた少女は此処に居るべきではない人物だと言うことを。その警鐘は語っている。彼女は異常因子にして危険だと。
そんなことを知る訳もなく、お姉ちゃんと呼ばれた少女は眠りそうになった目をゴシゴシと擦るとわかったと言う風に頷いて身軽そうな体でひょいっと立ち上がり扉に向かう。
おそらく妹なのであろう少女の横を通り過ぎる時、少女の方を見て首をかしげる。
しかし、しばらくすると何でもなかった風にあくびをしながら部屋を出て行った。
残された少女はと言うと姉が寝ていたソファにだらっと腰掛けた。そして唐突に上を向く。上を向いたそこに優が居る。
少女には優が見えない筈だった。だが少女は優と目が合うなりニヤリと笑ったのだ。
「居るんでしょ?琴凪 優、いや、お姉ちゃん」
優の目がギョッと見開かれないはずは無かった。
見える筈が無い。だってこれは優の記憶。
今まで失くしていたが優のものなのだ。
優の記憶は知っている。彼女は自分の時には居なかった。
「訳わかんないって顔だね」
口に手を当てて、可笑しそうにククッと笑う。
「当たり前だよ。私は事実、この世の、いや全時空から存在、記録、記憶が消されたんだから」
矛盾してる……。
だったらこの場所に居るはずが無い。私の思考はどういう経緯で消されたのかとか誰に消されたのかとか、あんた誰だ!?とか色々すっ飛ばしてどうして此処に居るのか、どうして存在できるのか?そこに終始していた。
「ふむ……。どうして此処に居るのか、どうして存在できるのか……。か……。ふむ。答えは単純明快だよ?」
少女は肩をすくめ言った。
「貴女が望んだから」
え……。
最初に来た感情は疑問だった。
なぜ私が望んだのか。だって知らないし……。
「私は貴女ありきの存在なんだよ?」
PR