ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: abnomal children オリキャラ募集中です>< ( No.35 )
- 日時: 2010/10/23 01:13
- 名前: スサノオ (ID: 4yRqeNGS)
第3話
そいつは一呼吸する暇も与えず腕を縦に一閃…。
部屋が真っ二つに裂かれる。
(っ!?まじかっ!)
そいつの容姿はなんとも形容しがたい容姿をしていた。
蝋を溶かして人型に固めたような姿だった。
この世界では『ゴーレム』と呼ばれるものだった。
ゴーレムを操る操者はこの辺にはいない…
(て、ことは…。ドーターかっ!)
ゴーレムというのは操るのが難しい。
ゴーレムは生まれ力を付けると同時に自我を持つようになる。
並の能力者ではゴーレムが自我を持った時点でアウトだ。
相当の実力者でなければ作った本人が殺られる。
遠隔操作の出来る実力者となると『超一流』と呼ばれる一握りの者だけだ。その超一流の操るゴーレムを『ドーター』と言う。
(反撃…しかないよな)
「エクスプロードッ!」
瞬間…。視界が真っ白に染まる。
続く赤い爆炎。
赤い爆炎が真っ白だった視界を赤く塗りつぶしていく。
爆炎がゴーレムを包み込む…。その瞬間…
爆炎が阻まれる。
(な……に…?魔術的な…隔壁…?)
気を取られる暇も無く後ろに回りこまれる。
(しかもコイツ…動きが…。疾っ!)
本来、ゴーレムは鈍いとされるが、コイツはその場を守護するのに最適化されたカスタムモデルだ。
弱点は額の羊皮紙。
これをはがすことで動きは止まる。
止まるのだが…。
隔壁がある上超一流の魔術師が操るカスタムモデル。
勝機は無に等しい。
しかし。
(やるしかないっ!)
そう心に決めゴーレムと対峙する。
そのとき…。視界の端で何かが動いた。
(優っ!!やめろ!!)
俺に気を取られている内に札をはがそうというのだ。
気づかれないはずかない!無謀だ!
まさに怜の思った通り。
素早く身を翻し優へと向かって行った。
(疾っ!追いつけない!!)
優が慌ててルーンを唱えるがもう遅い。
ゴーレムが魔術を発動。
「優っ!!!」
その時、何かが優の前に立ち塞がった。
(アリス!?)
しかしいくら天使と言えども魔術を使えない身では魔術を防げない。
魔術がアリスの胸を貫く。
後ろにいた優はとっさに身を屈めるが肩の骨を削り取られた。
気絶し血が流れているアリス。
絶叫する優。
怜の中で何かが弾け飛ぶ音がした…