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＜ミーアの翼＞
その伝承ははるか昔にさかのぼる。
ミーアと言う人物は『悪魔』だった。
それもただの悪魔では無い。
元天使のだ。
元天使と言っても堕天使ではない。
あくまでも”元天使”なのだ。
ミーアは天使の中でも高位な存在だった。
なぜそういった地位を投げ打ってまで悪魔になったのか。
天使のやり方に疑問を感じたからだと伝承にはある。
その頃の天使は独善的で様々な横暴を行っていた。
その頃の天使と言えば神に次ぐ絶対的存在。
天使が白と言えばそれが黒でも白になるのだ。
天使は人間を地上を汚す生き物と見なし地上から一層しようとした。
それに対抗しようと立ち塞がったのが当時悪魔軍の指揮官をしていたミーア達だった。
ミーアはその凄まじい力を使い敵をなぎ倒したと言う。
今、怜が使った力は『緋王の咆哮』と呼ばれる技だった。
物質の素粒子に直接働きかける技でこれに触れた物質は例外なく消滅する。
この世界には陽があり陰がある。
明があるように暗がある。
物質があるように反物質もあるのだ。
この反物質は対となる物質に触れると互いに反応し合い両方が消滅する。
その時に発生するエネルギーは凄まじく1ナノグラムの反物質が物質と反応した時に発生するエネルギーは先進国大都市の一日分の総エネルギーに値する。
今、怜が振るっているのはそんな化け物じみた怪物兵器だった。


ただ翼を振るう怜…。
そこに立ち塞がる影…。
「私は紫。天馬印　紫だ。髪の色じゃないぞ」