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怜は手を伸ばすと一閃。
方向を射出した。
光線は闇の境界線に触れると弾けて霧散した。
直後、背後に殺気を感じ跳んだ…と同時に振り下ろされる剣。
ズドォと大地に亀裂が走り威力の凄まじさを物語る。
次の瞬間怜は観た。
そこに拳を叩き込みむ。

闇が振り払われ、地上の乾いた空気が肌を刺す。
「ほう。此処まで早く繋ぎ目を見つけた奴は初めてだ。私もまだまだだな。オリジナルだったら繋ぎ目無しで創れるんだがな」
驚き半分、嘲笑半分と言った感じの口調で言った。
その言葉もやがて消えて行き静寂が場を支配した。
2人はジリジリと間合いを取る。
先に動いたのは怜だった。
常人を軽く凌駕する脚力で紫に迫った。
少し遅れて紫も動いた。怜は剣を横薙ぎに振るう。
紫が反応出来ていない。勝ったと思った。
そして……。


凄まじい衝撃とともに怜の体が吹き飛び脳を揺らした。

訳が分らないまま怜は昏倒させられていた。
怜の身体能力は悪魔の力を取り込んだことによって爆発的に上がっているはずだった。
しかし紫はそれをも凌駕する力で怜をぶちのめした。

「ふむ。まだ自由に扱えてる訳じゃないようだ。まあC判定ってとこか」
紫は怜を牢にぶち込むとめずらしく上機嫌なのか笑いながら去っていった。