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第５話

２度目の目覚めは最悪だった。
目を開いたとこまでは良かった……。
だが……。

体が動かない。
しかし怜は比較的楽観的に。
（すげーっ！！金縛りってこんな感じなのかー！！）
動かない体とは裏腹に脳内ではテンションが上がりまくる怜……。
「おっとお！なんだい。意外と冷静。じゃねーか。ぎゃーぎゃー喚いてるもんだと思ったがなあ。」
がははがははと笑い声を発しながら近づいて来るその男は……。
「誰だ？おっさん」
その男はタンクトップにガーゴパンツ、頭にゴーグルというちょっと特異な格好をしていた。しかもゴリラ顔に大柄で正直言うとかなり厳つかった……。
「てか……。ゴリラ……？」
その男の顔がみるみる赤らみ……。
「誰がゴリラだっ！！誰が！！」
怒り出した。
「んじゃおっさん好きな食べ物言ってよ」
「ん。バナナ。」
即答だった。
「……やっぱゴリラじゃねーか。」
「違うんだよ俺はどちらかと言うと猿なんだ」
（猿なら良いのか……。）

「俺はエリック。エリック・ロビンソンだ。まあとにかくだ。お前紫にあんだけボッコボコにされたんだからどうせ体動かねえんだろ？」
そうだった。なんで俺は戦ったんだっけか。
優。
（そうだ！優だ。優が死んだって聞いて俺は…意識が混濁して俺のものじゃなくなったみたいに……。）
「優！優は本当に死んだ…のか…？」
「ああ。それなら安心しな。あの嬢ちゃんなら大丈夫だ。あれはお前を逆上させるための嘘だよ。」
心底ほっとした。
「なら……」
「しかしだ。アリスなんだが…。傷が……酷くてな…手遅れだったよ。」

呼吸が止まった。

「え……。」

「だから……アリスは死んじまったんだよ……」