ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: abnomal children(異常な子供たち) ( No.9 )
- 日時: 2010/10/29 21:21
- 名前: スサノオ (ID: 4yRqeNGS)
そんなこんなで朝の教室。
「はぁ…」ため息の混じる優の声。
「何でため息ついてるんだよ」
「そりゃ怜のせいで遅れたからに決まってるでしょっ!!」怜に指を指しながら怒鳴る優。
「俺のせいかよ?お前から絡んできたんじゃなかったか…?」
率直な意見を口にする。
「どうだっていいでしょ!」
よかねえよ……。てかこの話お前が振ったんじゃねえか!
俺が少々げんなりしているとここぞとばかりに優が畳み掛けて来た。
「それよりどうするのよっ!居残り掃除当番にさせられちゃったじゃない!」
確かに居残りの掃除当番にされたのは痛い。
「今日はしょうがないだろ。どっちもどっちだ」優が不機嫌な状態で俺と優は教室に入った。
「よっ!遅れのお二人さんっ!」と、教室に入った時男が話しかけてきた。
「瀞か…」この男の名前は津路 瀞(つじ せい)。俺と優と同じ魔術科で…
確か使う魔術は氷魔法だったか。滅多に使わないから度々忘れるんだよな。っていうより…
「なんだよそのテンションは!」と、肩をバンバン力強く笑いながら叩いてきた。
「お前のそのテンションの高さのほうがおかしいだろ」というか肩が痛い・・・。
「これが個性ってもんだっ!いやーしかし怜は何時まで経っても冷たいねぇ」
とりあえず無視しておこう。相手にすると少々疲れる相手だからな。
魔術科は基本、使う魔術のレベルごとに教室が分かれており、その教室ごとに授業が分かれている。
ちなみに俺のクラスはFクラス、一番下のクラスだ。
一番評価の高いクラスはSS。
SSの中にはまたそこから最強クラスがあるらしいが、俺たちには知ったことじゃない。なんせFクラスだし
教室に入ってしばし経ったところで教師の榊 耀(さかき よう)先生が入ってきた。
噂によると榊先生は凄腕の魔術師だと聞くが、Fクラスの担当だから嘘なのだろう。
「おーし、出席とるぞー!」女性とは思えない男口調で出席をあげていく。
「もうすぐお前らにとっては夏休みに差し掛かる。せいぜい死ぬなよ〜」
冗談か?これは本当に冗談なのか?この担任が言うと現実味を帯びるから不思議だ。
てなわけで俺達は解放された、といっても俺と優は居残りだが。
「あーっもう!最悪っ!なんでよりによって荷物運びなのよっ!掃除でもなんでもないじゃない!」
いわば重労働を課せられたわけだった。筋肉痛が全身に響いて少々痛い。
「そう不機嫌になるなよ」まあ無理もないがな。
「何よっ!なら駅前のプリンおごってよっ!」なんでそうなるのかわからない。
「はぁ・・・わかったよ。しょうがねぇな・・・」まじで今月何回目だよ……。
「ふふっ、やった!」たちまち元気になる優を見て怜も思わず頬を緩めた。だがその時、
「強盗だっ!!」
「!?」怜と優は立ち止まり後ろのほうからした声を目で確かめる。
「どけぇっ!!」この異世で強盗など大したものだと思う。
そして優に恐る恐る尋ねる。
「・・・やっぱり捕まえる気か?」
案の定……。
「当たり前でしょっ!!」やっぱりか……。てか、あれだけ掃除当番で疲れたのによく捕まえる気になるもんだ……。
その辺の正義感は見習いたいもんだねぇ…。
すっかり感心していると優は魔術を唱えだした。