ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: abnormal children オリキャラ募集中です>< ( No.97 )
日時: 2011/01/13 18:28
名前: スサノオ (ID: 4yRqeNGS)


優は少年のいなくなった部屋に一人きりだった。
少年の去った部屋は暗く、冷たかった。
なぜだろう。あの少年がいたときはあんなに暖かな空気に満ちていたのに……。
優は驚きを隠しえなかった。そばに誰かがいてくれるということがこんなにも安心できることだったなんて。
しかしそう思えるのもここにいたのが他の”誰か”じゃなくて”あの市少年”だからなのかも知れない。
事実、記憶喪失のなかで初対面にあったとき戸惑い無く受け入れられたのは彼だけだった。
彼は毎日来てくれた。
そのたびに記憶を失う前の話など、きっと”私”も楽しかったであろう事をたくさん語ってくれた。
彼の話の聞くところによると、前の”私”はもっと活発でサバサバした感じの女の子だった印象を受けたが、今の私とは違うなあと感じた。
今の私はなかなかの引っ込み思案であんまり人と関わろうとしないから……。

彼はやっぱり前の私のほうが好きだったのだろうか?
そんなことを考えることがしばしあった。
考えるとそれだけで、心がモヤモヤした。

なんだか可笑しかった。
(おんなじ”私”なのに……。自分に嫉妬するなんておかしいよね……)
そう思いいつも馬鹿らしくなる。





だがそれは確実に進行していった。
人格の分裂と言う形で……。



そこに優を見つめる影……。



そして運命はやってくる……。