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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: abnormal children 参照がありえない数に…。 ( No.98 )
- 日時: 2011/02/10 21:06
- 名前: スサノオ (ID: pIrKYmvX)
第6話
男はその日も極寒の寒空の下、待っていた。
男は紺のスーツでを着ていて、一見すると普通のサラリーマン。だがガッチリとワックスで固めた頭とかなり厳つめな容姿が相まってヤの付く職業の人のように見えた。
その手にはコーンポタージュが握られており、容姿とのミスマッチを演出していた。
男は存在を感づかれないように十分に風下に廻っていたが見つかる可能性は否めなかった。
気配を消すのに気を配りながらも対象者の観察はさらに注意して行う。
この計画には俺の首がかかっている。
もし失敗すれば物理的な意味で首が飛ぶだろう。
だが男は失敗の心配は全くしていなかった。
男が待っていた時が着々と近づいていた。
男は全てわかっていた。
男がコーンポタージュの最後の一粒まで飲み干した途端、空気が変わった。
男は風下からか風上まで一気に跳躍する。
男がもと居た場所には男に放られ空中を舞うポタージュの缶だけが残った。
そして缶が地面に落ちるころ、男の体は、とあるレジスタンスの基地の裏口の扉の前に有った。
優はその日も見舞いに来てくれた少年を見送った後、温度差を感じ一人でむなしく丸くなっていた。
”あの日”から彼のことが気になってしかたない。
今何してるんだろうとか色々考えてしまう。
「何だろうね……。この気持ち……。」
そう呟いた優の顔には微笑みが浮かんでいた。
男はとある部屋の前に居た。
ここまで来るのは容易な事だった。
この基地にしては珍しくこの日だけは警備が手薄になるのだ。
いや、ならざるを得ない、と言ったほうが正しい。
そして男は今回の最大の目的、出来なければ首が飛ぶであろう作戦を実行するために、ドアノブに手を掛けた……。
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