PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: とある天使と悪魔の話。 ( No.3 )
- 日時: 2010/07/20 15:58
- 名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)
第一話
:悪魔と天使の日常:
私は悪魔。
いつどうやって悪魔になったかは全然判らない。
それは 他の悪魔や天使も同じらしい。
空の向こうへ着いたときに 人間時の記憶を失う……って魔界の分厚い本には書いてあった。
だから 判らないのは当たり前。
なんだけれども。
気になる。
めっちゃ気になる。
だってさ わたし 悪魔なのに
真っ白なんだもん。
こんな事があった。
私に記憶という物ができてからわりとすぐ
ネビロスという悪魔が私の前にやって来た。
そいつは、悪魔の監視官らしい。
そんな彼が最初に私を見ていったのは無礼にも
「なぜ天使が此処にいるんだ」 という罵声だった。
その後も 彼はちょくちょく私の所へ来ては物珍しそうに私を眺めていた。
でも 今日はネビロスは魔王のところへ行くっていってたから来ない。
それを訊いて やった♪ と思う私は間違いなく悪魔だよね。
*
私は天使。
私の横に座っているのは友達のミリア。
ちっちゃくて ふわふわで とっても可愛い。
それゆえに 足が無いのが目立って可哀想。
でも そんな私の体にも足は無い。
何でなんだろう。
気付けば私は天使と呼ばれていて
気付けばミリアという友達がいた。
他の天使達は 白くて長い綺麗な足をしているのに。
他の天使がつくづく羨ましい。
「どうかした?」
高くて、けれども優しい声。
ミリアが、私の顔を覗き込んできた。
全く 可愛いんだから。
心配そうな顔。
私はミリアをそんな顔にさせるほど深刻な顔をしていたのだろうか。
「何でもないよ」
私は微笑んだ。
「そっか」
ミリアも優しく笑った。
PR