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Re: とある天使と悪魔の話。 ( No.7 )
日時: 2010/07/20 15:56
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)


   第三話
  
  :出会い:


私は今、天を灰色の翼で自由に飛んでる。
魔界を出て、人間界の空高くを。

此処から出たのは久しぶりだ。
いや、初めてだったかも。


其れにしても、此処は綺麗だ。

魔界は暗い、とっても。
毎日が夕焼けか曇り空。
そんなんだからか、飛ぶと翼が重くなって辛い。

だけど、此処は澄んだブルーが空を覆っている。
飛んでいると言うより泳いでいるみたい。
魔界の空もこうだったら好いのにな。


それで、魔界を出て何処に行くかと言いますと

天界。


“足のない天使”に逢うため。



天界の入り口は、割とあっさり見つかった。

もっと迷うと思っていたのに。

ネビロスが、「見つかる訳が無い」なんて言ってたけど
それはデマだったのかな。
まぁ良いや。 無事着いた訳だし。


天界の入り口って言っても、其れが本当に天界への入り口なのかは判らない。
「此処は天国の入り口です」なんて親切な看板はないから。
それに、これはドアや囲いが在るのでもない。
赤やら青やら、七色の光が不規則に漂っている空間だった。
だから、これは入り口か如何かも判らない。


でも、私は此処が天国への入り口で間違いないと思った。

何となく、直感ってヤツだけど。


私は、その空間に恐る恐る指を入れた。
すると、指は空間に弾かれる事もなく入っていった。

と言う事は、やっぱりこれは何処かに繋がっている——

私は確信した。


そして、私は飛び込むようにその空間の向こうへ入った。






 其処にはとても不思議な世界が広がっていた。

白い建物、綺麗な花々、澄んだ空……
魔界では見ることの出来ない、美しい世界だった。

やっぱり此処は天界だったのか。


私はその時、疑問を持った。

悪魔が天界なんかに来て良いのだろうかと。

いや、駄目だろ、絶対。

見つかったら……ヤバくね?

どうしようどうしようどうしよう…………
軽くパニックを起こしていた。


でも、此処は天界。
神様はともかく天使たちはウヨウヨしているはず。

見付からない訳 無い。


 「キミ、誰?」

後ろで、少年の声がした。