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Re: †神様の失敗† ( No.24 )
日時: 2010/07/27 15:35
名前: 白兎 (ID: dlZE4w6M)


     第八話

  :友の為、いざ地獄へ:


 「魔界なんか行ける訳無いじゃないですかっ!!」

一応初対面だから、敬語を使っているんだけれど
(殴った事は棚に上げたようだ) 半分キレかけていてる。

だって
魔界って言ったら……

悪魔やら魔女やらドラゴンやら怪物やら……
そういう類のがいっぱいいるんでしょ!?

そんな所に行くなんて
  絶対無理だからっ!!


 「でも、その子のためだよ?」

ミリアのため……。

でも、天使は魔界には行けないんじゃないの?

確か、お互いの世界には入り口があって
違う種族の者は入れないって……

 「どうやって魔界に行くんですか?」

でもラツィエルはあっさりと答えた。

 「悪魔になればいいんだよ」

はぁ!?

 「悪魔って……どうやって!!」

あ、敬語にすんの忘れた。
まぁいいや。

 「簡単だよ。すこしの間ならね。
  悪魔に化けるんだ。魔法で」

悪魔に化ける……

そうか。
神様の創ったこの世界には魔法が存在するんだ。
私は一度も魔法を使った事は無いけれど。

でも、魔法は誰でも使えるものじゃない。

 「ラツィエルさんは使えるんですか? 魔法」

 「もちろん。伊達に大天使やってないよ」

ふーん。
使えるの。
意外〜〜。


 「じゃ、手始めに」

ラツィエルが言った直後、
私の周りには煙のような、白いものが浮かんだ。

自分が変わっていくのが判った。






煙が消えた時、私の体は完全に変わっていた。

黒くて、醜い。
これが、悪魔の姿。

自分でも気持ち悪いと思った。


 「おっ。成功!」

呑気な野郎だな。

 「じゃあさ、今日はもう遅いから、明日行ってきなよ」

 「えっ……。本当に一人で行かせるの?」

私は、口調は穏やかだったけど
顔はけっこう怒ってた。

 「じゃ、誰か誘ったら?」


この後また一悶着あったのは言うまでも無い。

また魔法を使って天使に戻った。
ラツィエルは「明日また魔法使うの面倒」とか言ったけど
あんな姿で天界うろついてたら即捕まると思う。


ラツィエルの家を出た。

ラツィエルはああ言ったけど
魔界に行きたがる人なんているの?


そんな事を思っていると、
前にアディルを見つけた。

 「何やってんのぉ??」

話し掛けたけど、アディルの顔は暗かった。
 
すこし話したあと、さっきの話をアディルにした。


 「へぇ、魔界に……」

ま、一緒に行ってくれる訳ないだろうと思っていた。

でも

 
 「じゃ、俺が一緒に行ってやろーか?」



そんな感じで、アディルと魔界へ出発することに。