ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:  一人 永遠の闇 ( No.2 )
日時: 2010/07/15 21:45
名前: ちょこしっく (ID: yMcOisx5)

*cnapter 1*



孤茶。

蓮は手をのばした。

漆黒の闇にいる孤茶に向かって。

孤茶。

何度も何度も呼びかける。

でも、歩き続ける孤茶は振り向いてくれない。

孤茶が闇に同色していく。

孤茶、いかないで。

蓮の瞳から涙が足元に落ち、静かに波紋を作った。

それと同時に、孤茶が闇に同色し消えた。

ことっ...。

名前を呼びたくて、声を出そうとしても、口がなくなったように

声が出ない。

孤茶の名前が呼びたくて。

帰ってきてくれると信じて。

だが、足元が波打ちだした。

足が埋もれ、腰まで沈んだ。

だんだん息ができなくなってきた。

顔が闇に埋もれた。

蓮。

孤茶...。

孤茶の声に、つぶっていた目をあける。

闇の中に、孤茶が見えた。