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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode6 魔法 ( No.22 )
- 日時: 2010/07/21 20:16
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
今、戦闘中でありまして、何だか無言。
無言なのは、会話をした隙に殺られるからって言う理由なんで勘弁願いたい。
それに、魔法という不思議な力が手に入ったばかりで軽く興奮気味でありますからして……。
目の前のデカイ虫の羽を炎上術で毟り取る言う作業にも没頭しているソフィアを軽くあきれたようにアリソンが小突く。
「いい加減に止めておきなよ、記憶どころか脳が壊れるよ?敵だって一応は脳内のガード役として存在してるんだから」
その言葉と同時にソフィアは敵を殺すのを止め、道案内に沿って進みだした。
よくある事だが、脳内の広さは人それぞれらしいが、ソフィアに関しては膨大な知識の所為で記憶を取り戻すのが遅れているらしい。
「ねぇ……まだ?」
呆れ気味にアリソンに聞くが、これと言って距離と言うか記憶を取り戻すまでの道のりは教えてくれる気配が無い。
どうやら、バケモノ船長ですら脳は難解なようだ。
そうこう話しながら道筋どおりに進む。
道筋どおりに進み、今までの経験を少しづつ取り戻せているらしいが今一実感が沸かない。
「見つけたよ、本」
歩くうちに目の前にその"本"と言うものの実体が見えてきた。
実体はソフィアそのものだ。
パズルのように所々欠けているが、間違い無い。
「私自身……?何で?」
「いやさ、そのままで分かりやすいよ。どうにも欠けてる所は順を追って取り戻すしかない、戻るよ」
その言葉と同時に、この世界に来た時のように暗い時間が過ぎると、ただ呆然と船の上に立っていた。
記憶が戻った実感は無いが、何だか懐かしい雰囲気の船の上だ。
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