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Episode7  特殊性質【特性】 ( No.23 )
日時: 2010/09/01 16:08
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)

記憶の中から戻って早数分、アリソンは自分の部屋に戻ってしまい、呼びに行った私は船内で迷子になっている。
ああ、何でこんなにこの船の中は広いの……?
船の全長はどう見ても10m前後、そのはずなのに今廊下を直線で30mくらい走った、何で全長よりも船内の廊下の方が長い !?

「どうなってるのよ、この船は!」

その叫びを聞いてか直ぐ後ろの扉が開きアリソンが出現した。
いざ戦闘!ではなく、質問攻めの一方的な攻撃へ突入!

「記憶って何時ごろ戻るの?この船なんでこんなに広いの?特性が喪失って行ってたけど特性って何?」

流石にバケモノ船長もビックリしている、と言うか、対応に困っている。
流石は私の質問一方的攻撃、これにはバケモノ船長も参ったようだ。
頭の中で降参の白旗を振っているのがよく分かる。
それでもなお呆れた様に答えてくれた。

「記憶は何時戻るかは分から無いからゆっくり戻すしかないよ。この船の中は基本入ってから直ぐの3方向は全て絵で、今も絵の中の通路。それで、特性って言うのは戦い方によって習得する特殊能力の事。その人の固有能力で、ソフィアは"喪失"敵意を向けてきた者の何かを無くせる。私は"天下無敵"敵の特性は使えるわその威力は敵をも遥かに凌駕しそれ以外にもこの世界に存在する特性全てを利用できる。……それを見たことが無くてもね」

"それを見たことが無くても"その言葉だけが何故か悲しみに満ちて私には理解の出来ないものだった。
多分、それが理解できていたから記憶を消すと言う行為に走ったのだろうか?
だけどそんな事はどうでもいい、天下無敵って無いだろう、普通に反則技ではないのか?
そんなことより……。

「副船長が呼んでたよ、何か来たって」

「え!やっとか」

その言葉と同時にアリソンは走って甲板へと向かった。
その後、私が1時間以上船内で迷子になっていた事は言うまでも無い。