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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode2 海賊船の骨の医者 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/01 16:05
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
私は多分、死んだのだ。
銃で胸を撃たれた、そして傷口を開くかのように蹴りが数発、そして正体不明の音。
これらが私が死んだと悟らせるのに十分な証拠を突きつけていた、だが現実はどうなるのか分からないものだ。
死んだはずの人間が生き返り、寝ているのだから。
「う゛……」
生きている事を確認し、目を開く。
私の目に色が戻ってくる。
木の天井だ。じゃあ、今揺れているのは何……?窓から光が差し込んでいる、外を見てみるとしよう。
恐る恐る外を見ると、水平線が目の前に現れた……?
ここは……船の中か。
外を見て体を起した私はまず、部屋の中を見渡した。
薬棚、フラスコ、何か分からない光る液体の入ったビンが幾つか、そして葉巻タバコを吸う人体模型が1体。
船の中の……治療室?
外は海。見渡す限り水平線が広がっている、恐らくそれが正しいだろう。
考え込んでいる私を何かが小突く。
誰が……?私以外にこの部屋には誰も居ないはず、それに不自然な物も……!
葉巻タバコを吸う人体模型……?驚く事に煙も立ち上っている、確かにタバコを吸っている。
「何……コレ?」
恐る恐るベッドから起き上がり人体模型を眺めると、驚いた事に口元で空気が出たり入ったりしている……、生きてる !?
「生きてる……人間……?」
その言葉の直後、人体模型は急に動き出した。
模型を立てておく台から降り、直ぐ近くの机に座って何か髪にメモを取った後、終に喋った。
「21代目魔王軍隊長さん、体の具合は……?」
その言葉と同時に部屋の戸が開き、……風変わりな紫色の髪の男とも女とも付かないような奴が入ってきた……?
そこで私の意識は途切れる。
何が……何なの……?
この骸骨は……医者?
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