ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ━Justice of evil━ ( No.11 )
日時: 2010/07/22 19:59
名前: 遊太 (ID: KF4wky37)

CHAPTER1【逃げだせない刑務所】


β級フロア


監獄内のベットに寝転ぶ風真は、今日も暇そうにしていた。
毎日同じことの繰り返し。監獄ライフは、もう飽きてしまった。
「なにか、起きないだろうか・・・・」
風真がボソリとつぶやく。
その時だった。まるで、風真の願い事が叶ったかのように思えた。


「脱獄者だ!!!鉄柵を破壊して逃げたぞ!!」


廊下に響き渡る看守の怒鳴り声。
牢屋の中から、受刑者の歓声が上がった。
無論、風真もこの事態には興味を持った。
鉄柵越しに廊下を見ると、左方向から1人の男性が走ってきた。

「ひぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」

男は狂ったように走り、いつ転んでもおかしくない走り方だ。
「おいおい・・・そんな走り方じゃ追い付かれるぞ。」
風真が通り過ぎる受刑者につぶやいた。
すると、耳に届いたのか男が足を止めて風真を見る。

「だ、黙れ!!お前は一緒そこにいろ!!!」

男は皮肉たっぷりに言い放った。
しかし、その感情が仇となってしまった。 



バン!!バン!!バン!!



3発の乾いた銃声音。
受刑者の歓声がピタリと止まったと同時に、男は廊下にバタリと倒れた。
「・・・・馬鹿だな。」
風真は男に言う。
弾の一つが肺に命中したらしく、男は息を乱しながら風真に右手を伸ばす。
だが、風真に出来ることは何もない。
「幸運を祈るぜ、6番。」
囚人番号6番の男は、駆けつけた看守と医療スタッフに連れて行かれた。

「やっぱ、この刑務所から脱獄は無理か・・・・」

風真は、今の現状を見て悟った。
だが、もしこの刑務所から脱獄するなら3つの物が必要不可欠となる。

1つ目はカードキー。看守が持っているセキリュティを解除するキーだ。

2つ目は仲間。脱獄は1人では不可能だ。最低4人の仲間が必要となる。

そして、3つ目が重要となる。
それは・・・・




運________





運無き者に、この刑務所からは脱獄できない。
悪人が持つ運、それは絶対に必要なのだ。