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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ━WORLD━ ( No.4 )
- 日時: 2010/07/22 15:28
- 名前: 遊太 (ID: KF4wky37)
【囚人番号5番 田中風真】
*風真vision*
田中風真。それが俺の名前だ。
由来なんて知らない。興味を持ったこともない。
「・・・・なあ、知ってるか?」
看守の声が、牢屋の鉄柵を通り越して聞こえてくる。
いつもは耳を傾けない。どうせ、今日もつまらない話と思っていた。
「囚人番号10番、この前収監された奴だよ。」
「あぁ。あんな可愛らしい女の子が犯罪者とはね。世も末だな。」
看守の何気ない話から得た情報。
なぜか、俺の頭に一人の女性の顔が浮かんだ。
それは、同じテロリストメンバーである友里の存在だ。
「あいつのことか・・・・。まだ高校生だが、ここに収監?」
俺は、思わずベットから起き上がり、何もない冷たい鉄の床を見つめる。
「おい、看守。」
「ん?どうした?」
今日の看守は優しいようだ。接し方がほかの看守より良い。
「囚人番号10番の名前は分かるか?」
「さあね。俺はまだ雑用みたいな階級だし、α級の監獄フロアには入れない。」
α級・・・・確か、そこには政府が揉み消した犯罪者が集う場所だ。
行けそうにないな。自由時間を使っても、そこには手も足も出ない。
それに、看守が持ち歩くカードキーが必要だ。
「人違いだろ。α級なら、友里じゃないな。」
俺は再びベットに戻る。
今日も、つまらない1日になりそうだな。
まあいい。時間はある。
俺は、終身刑の身。死ぬまで最低80年以上の猶予がある。
「監獄ライフ、楽しませてもらおうか・・・・」
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