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Re: 【短編】もしも、報われるなら【集】 ( No.8 )
日時: 2010/08/05 22:42
名前: 箕遠 ◆rOs2KSq2QU (ID: /Abm.ZRe)

【もっと、もっと】









 そんな1人で悲しまなくて良いのに。
 そんな言葉並べ立てる意味とか力があるんだったら、さっさと泣いて助けてって言えば良いのに。そしたら俺は君を助けてあげられるのに。なのに何で君は1人で笑ってられるんだ。何でそんなに気丈に振舞うことができるんだ。なぁ、何でだ。教えろよ、誰か。


 「この、卑怯者」
 

 俺は君を助けたいのに、仲直りして友達になりたいのに。何で君は今、俺を睨みつけてるんだ。何でそんな、殺気が篭った瞳で俺を見上げるんだ。何で、歯を食いしばって耐えているんだ。早く、弱音を吐けば良いのに。さっさと泣いて乞えば良いのに。何度も何度も謝って、ぼろぼろになれば良いのに。


 「1人じゃ、何にも出来ないくせに」


 違う、俺が聞きたいのはそうじゃなくて、


 「集団でしか、こうやって弱い人をいじめることでしか、友情を保てない奴等のくせに」


 違うんだ、そうじゃない、俺が君に言って欲しいことは、


 「そんなアンタ達のことなんか、」


 頼む、その言葉の続きを言わないでくれ、


 「大っ嫌い……!」


 ——————嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼















 (もっと愛せれば、良かったのに)






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別館から、一人称を変えてもってきたものです。
たった十数年しか生きてないのに、たら・ればっていう後悔ばっかりですねー