江戸時代初期から存在すると語り継がれる置物———。骨のように白い瀬戸物の狐。美しい柔らかな光沢、まるで実物の狐のように繊細に作られた毛並み。作者は現在に至っても不明だが、その置物を手に入れようと必死になるマニアは減らない。しかし———。手に入れた者は必ずそれを手放すことになるのだ。死と言う形で————。