ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 漆魔転生物語 ( No.24 )
- 日時: 2010/08/11 09:50
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
act.20[過去。。。愛。。。]
やっほー。今日も暑いねー。
じゃあ、続き。話していい?
交番から帰った後、家のドアを開けようとしたら鍵がかかってるのよ。
ドアに耳押しつけてみたら、母親の喘ぎ声とか聞こえたもんだから5時間は外で待ちぼうけだったね。
その5時間何してたと思う?
ずーっと、目の前を通り過ぎる蟻の数数えてた。
自分でも暗いなー、とは思ってたさ。
でも、他にやることなかったし、家、ボロイアパートだったからやっぱどうしても音聞こえてくるんだよねー。
腹、鳴りっぱなしでさ。さすがに交番で何か食ってくるんだったと後悔したね。本当。
月が真上に上る頃にやっと、ドアが開いて、出てきた2人は俺を見て化物をみる目つきで見た来たのよ。
そりゃ、ボロボロにして捨てたと思ってた玩具とかが、いきなり帰ってきたらそら怖いわな。
で、その後無事に家の中に入れたんだけど。
グッチャグッチャだったね。
何やったか知らんけど、すっげ甘い匂いが充満してて、これならまだすっごい寒い外の方がましだと思った。
気持ち悪すぎて、腹の中に何もないのに吐いたからなー。俺。
あたりまえだけど、その後ボコられた(笑)
そんな毎日続けてて、ある日、突然だったね。
俺は無事(?)小学校に行けてたんだけど、(母親の虐待も少しはおさまったし。そんなに世間の目が怖いのかあのババアww)
で、俺が小・・・3の頃だったか、いきなり俺に父親が出来た。
俺の部屋(押入れ)で寝てたら、いきなり部屋のドア開けてきて強引に引っ張りだされた。
掴まれた腕から血でてたぞ。
どんな付け爪してんだよ・・・。
どんな経緯であんなクソババアを妻にしたのか知らんが、どんな人であれ、俺に対しての暴力がおさまったのは嬉しかったね。
久しぶりに母さんの笑顔見た。
あんな幸せそうな顔するんだなー、ってそん時の俺は純粋だったよなぁ。
ま。小3のガキにその笑顔の本当の訳を考えろって方が無理な話だ。
それから1年。
俺が小4になった時に、父親が遊園地行こうって言いだしたのよ。
そりゃもう俺の喜びは最高潮だったね。
生まれてから1度も≪遊園地≫と言う場所に無縁な生活送ってきたわけなんだから。
親子3人。やっとまともになれたと信じてたのによ?
あの糞野郎共、俺を殺そうとしやがった。
帰りがけに、交差点で信号待ちして時にあろうことか、あの野郎。
俺を突き飛ばしやがったんだ。
そん時、それまでの生活でろくに食わせてもらってなかったから、俺の体重は平均の半分しかなかった。
それで何度からかわれたか。
で、言ってしまえばなんの力も持たない無力な俺を大型トラックの前に突き飛ばした糞野郎共は、驚いた顔をしてたけど、残念。
口がニヤついてたぞという訳だ。
腕が吹っ飛ばなかったのはすっげー幸運だったな。
大型トラックにはねられた俺は、走馬灯といわれる物を見る間もなく一瞬で意識が飛んだよ。
本当。生きているのは奇跡だと思うね。
あとあと聞いたんだけど、あいつ等、俺の後ろにいた女子生徒を突き飛ばした犯人に仕立て上げて、金、貰おうとか考えてたんだとさ。
そん時心底、血が繋がってるのが嫌になった。
ほかの人が何人かその時を見てて、女子生徒は無罪になったんだけど、その後に、あいつ等俺に対する虐待と殺害未遂で刑務所送られたよ。
出来るなら、笑顔で送り出してやりたかった(笑)
で、その後俺はおばさんの家に引き取られんだ・・・。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.25 )
- 日時: 2010/08/11 14:45
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
さっさと課題を終わらせろ。
act.21[過去。。。愛。。。]
実父は莫大な借金を残し失踪。
母親はそのショックで一人息子を虐待、後に殺害を計画。
再婚相手は母親とともに息子の殺害を計画した。
そして、つらい過去を背負うことになった少年は母方の叔母に引き取られることになった_______
おばさんの家に来て3日。
俺はショックからも立ち直り、事件の怪我も完治した。
小5の頃だ。
叔母さんは良い人だ。
いつも俺を気にかけてくれる。
本当にあのババアと血縁なのだろうか?
伯父さんも病弱だか、優しい人だ。
昔のことは、忘れよう・・・・。
俺は、これからはこの2人の息子として生きていくんだ・・・・。
本当に楽しかった。
2人とも優しくて。温かくて。
幸せ・・・・・・初めて、心の底から感じる事が出来た。
やっと、本心で笑えるだろうか・・・。
笑い方など、忘れてしまっているのかと思っていたが、やっと・・・やっと・・・・!
だが、それも虚像だった_______
伯父さんが・・・死んだ。
治らない、心臓病だったのだ。
葬式もお通夜も淡々と進んだ。
叔母さんは泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて・・・・・・。
_______________壊れた。
それは突然やってきた。
俺が学校から帰ってきた時だ。
その日、なんとなく叔母さんはおかしかった。
テレビを見て、笑っていたのだ。
久しぶりの笑顔だ。
あの叔母さんが。ほぼ毎日泣き崩れていた叔母さんが。
笑ったのだ。
俺は、叔母さんが壊れていく音を聞き取れなかった。
その夜。
俺は宿題も終わらせ、穏やかに寝ていた。
学校生活は、それなりだった。
友達・・・は相変わらず出来なかった。
夜中、2時ごろだろうか。
足音が、聞こえた。
だんだんと近づいてくる。
ズシッと何かが乗ってきた。
俺の意識が覚醒した時、目の前には叔母さんがいた。
息が荒い。
布団が剥ぎ取られる。
俺は声を出そうとした。
だが、それは叔母さんの声にかき消された。
「修斗、修斗ぉぉ・・」
修斗。伯父さんの名前。
この人は、俺と伯父さんを重ねている。
伯父さんの体が弱かったせいで、息子が出来ないのだとクソババアが言っていた。
手首を掴まれる。
叔母さんは小刻みに震えている。
小5の力では、とても太刀打ち出来るものではない。
その時、俺は気づいた・・・。
この人は、俺を伯父さんと重ねやりたくてもできなかったことをしようとしている。
恐怖。
底の知れない、真黒な恐怖。
服をめくられ、叔母さんの息が一層荒くなる。
「・・・あ、あ・・・ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
訳が分からなかった。
叔母さんから逃れようと必死だったのだ。
「こ、このっ!・・・・クソッ・・・!!ド腐れがああああああああああああああああ!!!!」
顔面を渾身の力で殴りつけた。
叔母さんの力が痛みで緩まる。
全身をよじって、距離を取る。
目の片隅に伯父さんが大切にしていたという野球のバットが入った。
恐怖にとりつかれた俺は、とにかく、何でもいいから、解放されたかった。
今までの、溜まりにたまった感情が。
押し込めていた激情が。
繋がれていた恐怖が。
一気にあふれだした。
バットを手に取った俺は、全ての感情を真っ赤に染めた_________
後日、叔母に引き取られた少年は叔母に襲われ、金属バットで叔母を撲殺。
- Re: 漆魔転生物語 ( No.26 )
- 日時: 2010/08/11 15:11
- 名前: 叶嵐 ◆RZEwn1AX62 (ID: fMPELWLk)
連とーこーozr
act.22[過去。。。愛。。。]
——————————俺は一人になった。
目を覚ましたのは、全てを忘れた後で。
周りは真っ白な部屋で。
規則的な機械音が続く音で。
かすかに聞こえてくる外の音が、ゆっくりと意識の覚せいを促して。
何も覚えていなくて。
名前が・・・言えない。
自然と、思い出そうとは思わなかった。
それでいいと思ってて・・・。
「は、はは・・・あはは・・・」
意味もなく笑ってみたり、でもなんか、笑えて嬉しいとか思って・・・。
「・・・・!」
なんでか泣けて・・・。
「・・・あー・・・何なんだよ。もう・・・」
手で顔を覆う。
ふと、手に何か付いている気がした。
何か赤いような・・・何か。
・・・・・・・・・思い出せない。
「まあ、いいか・・・」
それからの俺の生活は、ほどほどに満足できるものだった。
ただ、一つだけ。
なんでかは、どんなに考えても分からない。
俺の髪と目が、紅く染まっていた___________
これで、俺の過去は終わり。
どう。そんなに良いものじゃないでしょ。
時間が過ぎて、今更思い出しても、胸糞悪い話で。
でも、今の俺がいる。俺を作っている1ピースで・・・。
過去がどうであれ、今、笑えてれば、俺はそれでいいんだ・・・。
俺のすべては今なんだよ・・・・。