ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 黒夜叉伝記 〜オリキャラ募集中〜 ( No.29 )
日時: 2010/07/21 20:45
名前: るりぃ (ID: Sc1bIduz)

Scene5『正体をあかしました』

訳がわからぬまま佐上の城に連れて行かれた。
「ここで待っていれば女中が来る。」
佐上にそう言われて部屋に押し込められ、ぼーっと待っていると綺麗な着物を着た女の人(女中と言うらしい?)にに傷の手当てをされていたた。
あっという間の事に驚いていると佐上が部屋に入って来た。

「今回は、アール・クラウドの軍を討ってもらい。ありがたく思う。…あの妙に光る軍服と影武者は苦手なんだ。」

…確かに、あれは目がやられるな。
先ほどのクラウド戦を思い出してしまったので、記憶の奥底に押し込めていると、佐上の瞳が冷たく光った。

「ぶっつけ本番で悪い。……クラウド軍をたった数刻で壊滅させた、貴方は何者だ。」

その瞳はまるで全てを拒絶するようだった。
私は隠す必要もないので正体を明かす。

「私は紅 冷嘉。元は伝説の忍だ。今は現役を引退して教育係の任に就いている。…現役を辞める代償として払ってしまったので腎臓が無い。…これでいいか?」

私が一息で言えば佐上は驚いたように目を見開く。

「紅 冷嘉って…女みたいな名前だな…」
「つっこむ所はそこなのか? それと、私は女だ。」

呆れたように言えば佐上は慌てて謝ってきた。
…別に私がどう見られようが関係は無いから構わないのだが…
私が口を開こうとしたその瞬間、私と佐上の丁度間に先ほどの女が音も無く着地した。

「見つかったか?」

私が尋ねると女は首を横にふる。
それに少し落胆しながらも礼を述べようとした所である事に気が付いた。

「今更だがお前、名は?」

女は「本当に今更だな」と小さな声で言ってから名を述べた。

「あ〜…津姫雲 爛歌って言うんだ。ヨロ。通称は放浪の忍だよ。」

忍…くのいちか。
最近のくのいちは派手だな…と、年寄りじみたことを考えていたら、津姫雲が佐上に話し掛けていた。

「佐上、あんたは自分の兄とか父とかにあたしがいる事を言った?」

佐上はそれに首を振りながら「必要が無いから言わなかった」と答えていた。
…必要が無い。か…随分と合理的だな。
私がひそかに佐上に感心しているとドタドタと走る音が聞こえ、次の瞬間。勢いよく襖が開いた。

「蓮輔。このものたちは誰だ。」
「父上…」

To be contineu…