PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒夜叉伝記 〜必殺技募集中〜 ( No.49 )
- 日時: 2010/07/29 15:04
- 名前: るりぃ (ID: qwjQ/00r)
Scene8『忠誠を誓われました』
佐上は明らかに動揺していた。
無理も無い、父親が目の前で死にかかっていて…
そして、その命の生死が自分の手にかかっているのだから。
「お前がコイツを殺そうと生かそうとお前の自由だ。さぁ…どうする?」
私は父親の右腕から足を退け、左腕と右足、左足に刺さったクナイを抜き取る。
そして父親の胸倉を掴み、佐上に突き出した。
私的にはコイツを今にでも殺してやりたいが、こいつの生死を決めるのは佐上だ。
「例え、俺を疎んでいても、嫌っていても…父上は、俺の父上だ。だから…」
‘殺さないでくれ'
佐上の唇が静かに動き、その言葉をつげる。
私はその言葉に頷くと、ポケットに入れておいた包帯を取り出し、父親の肩に巻く。
「止血はしたから、これでいいだろう。」
誰に言うわけでもなく私はそう呟くと、父親を床に転がす。
そしてクナイについた血をティッシュで拭うと、もとの場所にしまう。
そして閉められていた襖を開け放つと、外へ飛び出そうと身構える。
私が飛び出そうとしたその瞬間。
「まってくれ!」
津姫雲が私に静止の声を掛けた。
私が止まった事を確認すると、津姫雲は私に向かって忠誠のポーズをとる。
「私は、あんた…いや、‘冷嘉サマ'に忠誠を誓う…冷嘉サマの強さに、私は惹かれた。」
…待て、私はどうしたらいいんだこの状況。
そして、敬語が気持ち悪いのだが…
私は目の前の状況に大きくため息をつくと、頭を抱えた。
To be contineu…
PR