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Scene９『仲間が出来ました』

私は忠誠のポーズをとったまま動かない津姫雲に歩み寄ると、ため息交じりで口を開いた。

「何故私を主（あるじ）に選ぶ？」

他にいっぱいいるだろうが、と、付け加えると、津姫雲は搾り出すような声音でこういった。

「あなただからです…」

「…仕方が無いな…」

私が津姫雲にこう答えると、津姫雲はバッと顔を上げる。
その顔は喜びに満ちていた。
だが、私はあくまで‘忍'であり、忠誠を誓われる側ではなく、誓う側なのだ。
だから…

「ただし、お前は私の‘配下の忍'ではない。私の‘仲間'だ。」

だからその敬語も今すぐ取りやめろ、と、言ってにやりと笑うと、津姫雲は一瞬ぽかんとしたが、すぐに笑顔になり、頷いた。

「では、いくか…」

そこで、津姫雲以外の視線…佐上からの視線に気付く。
私はその視線にため息をつくと

「お前も…くるか？」

そう言って手を差し伸べた。
佐上は笑顔で頷くと、私の手を取った。

To be contineu…