ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒夜叉伝記 〜オリキャラ募集中〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/07/19 16:41
- 名前: るりぃ (ID: P.N6Ec6L)
Scene2『吹き飛ばしました』
通行(冷嘉の突進方向)の邪魔になる奴を片っ端から殴ったり蹴ったり、時たま人を盾にしたり投げ飛ばしたりしながら、猛然と突き進んでいると本陣っぽい横断幕がぐるっと張り巡らされているところまで来た。
それを爆弾抱えたまま突進してきた相手を絡めとって、幕に向かってぶん投げる!
ドッガァアアアンッ!!
盛大に煙が上がるとともに爆風で幕がすべて吹っ飛んだ。
たーまやー、と内心で思っていると煙の中から何かがバタバタと出てくる。
「ッ!? なななな何事だっ!? 佐上軍はまだ先と言っておったではないか!」
「す、すいませんアール様!ご無事でございますか?」
「無事ではない!私の高貴な顔がすすで汚れたであろう!?」
部下らしき者を数名従えながら、でっかい扇でバシバシ部下を叩くキンキラの軍服の男。
あれが頭だな、と走りかけるとわずか後方からものすごい声量で叫ばれた。
「クラウド軍総大将、アール殿とお見受けする!」
「(ッ! 耳が…)」
思わず片手で耳を押さえ、後ろを振り返る。
そこには癖毛な金髪に琥珀色のツリ目の少女が仁王立ちしていた。
「ッ!! お前は小雷神! もうここまで来たのか!?」
遠目からでも分かるほど大量の汗を掻いて、わたわたするナルシスト野郎。
「小雷神。佐上 蓮輔。いざ参る!」
そう言って楽器を構える佐上。
その様子にナルシスト野郎はばっと扇を開いて叫んだ。
「み、皆の者っ、私を守れぇぇぇえええ!! 出でよ! 私の影武者!」
「アール・クラウドだ。」
「アール・クラウドは私だ。」
「いや、私だ。」
「ニセウドだ。」
おい、最後の奴、明らかに‘ニセ’つったよな?
ナルシスト野郎が盾にするように扇を開いた瞬間、これでもかっ! てくらいの数のキンキラ軍服を着込んだ変な集団が湧いて出てきた。
影武者達…とか言っていたが、ぶっちゃけ一目で分かる。
というか体型から武器まで違う。
本物以外、全部刀を持っているぞ。
こんなのに引っ掛かる奴なんていないぞ、と白けた顔で麿集団を見ていると。
「うっ!? アール殿が複数!? く…っ、影武者とは卑怯な! 見分けがつかない!!」
「いや分かるから。明らかに一目で分かるから! アホなの? 阿呆の子なの?」
いたよ!
佐上の苦悩の表情に、冷嘉は思わずつっこむ。
今気付いたらしい佐上もびっくり顔だ。
「ん?お前は…?」
きょとんと首を傾げる姿に、なぜか愛嬌を感じた。
…蓮に似てんな…。
「私を無視するな!」
「「放て!」」
二人で向かい合っていると、おそらく注目されることが好きであろう(なんせキンキラの軍服だ)ナルシスト野郎が、駄々をこねた。
まるで計ったかのように次の瞬間、雨のような光の矢の嵐。
直ぐ様、足元に転がっていた槍を足の甲で掬って掴み、払って防御する。
火矢も交ざって飛んでくるのでそれも、後ろに下がって回避。
丁度、佐上の隣に並んだ。
その身のこなしに佐上が、軽く目を瞠る。
「お前は一体…」
「前見ろ、前!来ているぞ!」
でかい刀をぶんぶん回転させながら大男が迫ってくる。
何か言い掛けてたが、途中で遮り、佐上の脇を擦り抜けて大男に突進する。
地面すれすれであろう程に身を屈めて刀をやり過ごし、槍で大男の両足を斬り付けた。
大刀を手放して、崩れる大男の顔を踏み台に跳躍。
飛んできた火矢が、大男に当たって炎上した。
とんぼをきって着地し、射手を蹴散らす。
「おいおい…」
眉をしかめてナルシスト野郎の居るほうに視線をやると、ニセナルシスト野郎に隠れて逃げようとしていた。
「逃がさない!!」
それに同じく気付いたらしい佐上が、そこかしこから増えては現われる雑魚を薙ぎ倒しながら追い掛ける。
が、次の瞬間。
彼の背後からキンキラ集団のうち1人が襲い掛かった…
To be contineu…