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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒夜叉伝記 〜必殺技募集中〜 ( No.71 )
- 日時: 2010/08/04 17:38
- 名前: るりぃ ◆M6R0eWkIpk (ID: w4zhaU6v)
Scene14『蜃気楼〜Mirage〜Ⅴ』
楼は日が傾くころに、町を出発した。
本当は日が傾く前に出発したかったのだが、町の人間がそれを許してくれなかったのだ。
町から3kmほど行ったところで夜になったので、休憩をすることにし、木の枝から飛び降りる。
楼は木の枝から飛び降りると同時に橙髪の少女から赤髪の男性の姿になると、舌打ちをし、誰に言うでもなくつぶやいた。
「人間ってヤツは面倒な生き物だな。」
楼はその後に小さくため息をついて木の幹に背中を預けた。
辺りは動物の鳴き声や木々のざわめきさえも聞こえず。静まり返っている。
楼の存在に圧倒されているのだ。
其処にいるのかさえもわからないくらい気配が感じられない。
だが、楼は世界の全てのような気配を発しているのだ。
それが楼が人間ではなく【化物】と呼ばれる理由である。
その時。
楼の耳に誰かが涙を流す音が聞こえた。
人間の耳では聞き取れないほど小さな音だったが、楼はそれを聞き取り、体を起こし、そちらへ向かった。
To be contineu…
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