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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 幸せだったのに・・・ ( No.6 )
- 日時: 2010/07/20 07:17
- 名前: りん ◆mTqouqsI7s (ID: np0G/CPM)
- 参照: 雑談掲示板では「みさき」です☆
第1話
今から7年前・・・相沢裕美、8歳。
誕生日を迎えたばかりの裕美は早速プレゼントに
貰った洋服を着て家中を駆け回っていた。
「こらこら、裕美! こっちにおいで〜」
そう庭から声をかけたのは裕美の姉、琴未。
「キャハハ〜! お姉ちゃん!!」
裕美は琴未のもとへ駆け寄り、抱きついた。
その反動で倒れそうになる琴未。
その光景を幸せそうに見ている母、明日実と父、啓太。
そんな何でもない仲のいい家族の休日。
しかし・・・そんな運命をあっさり変えてしまったのは一通の手紙だった。
ピンポーン・・・ピンポーン・・・
「あら? 誰かしら? お客様?」
そう言いながら明日実は玄関に小走りで急いだ。
この時ドアを開けなければ—・・・
運命はまた変わっていたのかもしれない。
明日実がドアを開けるとそこにはスーツ姿の見覚えのない男性が2人いた。
身なりもきっちりと整えている。
「こちらに、8歳の誕生日を迎えた娘がいると聞いたんだが・・・」
22、23の見た目でなぜかえらそうに話す男に明日実は少し苛立ちを覚えた。
明日実は礼儀がない人は嫌いだからだ。
それでもなんとか苛立ちをおさえ、「そうですが」と刺々しい笑顔で明日実は返事をした。
もしこの時、明日実が苛立って「全く! 礼儀ぐらい正しなさいよ! そんな礼儀の
ない奴に娘がいるとか言える口はありません!」とでも言ってれば・・・
また運命は大きく左右されていたのかもしれない。
「そうですか。ではここは相沢さんの家で間違いないようですね」
男はそう言うと、明日実に“相沢家両親へ"と書かれた封筒を差し出した。
そこには信じられないことが書いてあったのだ。
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