ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 幸せだったのに・・・ ( No.7 )
- 日時: 2010/07/21 09:44
- 名前: りん ◆mTqouqsI7s (ID: np0G/CPM)
- 参照: 雑談掲示板では「みさき」です☆
第2話
「なっ・・・そんな・・・・・・!!」
明日実はそれを見た後、顔を青ざめ、フラフラ走りながら
啓太のもとへと走っていった。
啓太は明日実を見て驚きの表情を見せるものの手紙が原因だと悟り、
すぐに明日実から手紙を取り、それを読んだ。
相沢家
父、啓太 母、明日実様
我が施設〔experiment〕に下記の者を強制送還
することを決定した。
尚、政府はすでに了解済みである。
相沢家 次女 相沢裕美(8)
期間は5年間でその間、
政府より毎月7万の資金が謝金として送られる。
また、5年間の間、必要な教育は
させておきますのでご了承を。
最後に、面会は一切禁止となっておりますので
住所はお知らせしません。
2016年 3月6日
experiment会長 原 雅夫
啓太も明日実と同様、固まった。
愛する娘がよく分からない施設に5年間も送られるのだ。
無理はない。
啓太は何とか冷静を取り戻し、玄関に向かった。
「・・・これは、強制なんでしょうか」
啓太の問いに平然とした態度で答える男。
「手紙にもかいてありますが強制です」
「お金ならいくらでも払います。ですから取り消ししてください」
「残念ですが・・・そんなことはできないのです」
そう言うと一瞬サングラス越しに男が悲しそうな顔をしているように見えた。
「・・・どんな施設なんですか?」
そう聞いたのはいつの間にか玄関にいた明日実だった。
「規則のため、教えることはできませんが、命に問題はありません」
experimentの意味は《実験》・・・。
明日実はそれが気がかりだった。
「政府も了解済みってことは体にも問題ないんですね」
「もちろんです」
「・・・分かりました」
命にも体にも問題は与えない。
それに基本的な教育は受けさせるとのこと。
それに強制・・・もう無駄だと感じた。
「では、お邪魔します」
そう言って2人の男が部屋に入ってきた。
裕美と遊んでいた琴未は唖然としている。
そんな琴未にお母さんは「後でちゃんと話すからね」と琴未を抱きしめ、泣いていた。
そんな母に琴未は何も言えなかった。
男たちは、暴れて言うことを聞かない裕美にクロロホルムを嗅がせて、
車に乗せて去っていった。