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Re: LEVELTIER ( No.2 )
日時: 2010/07/20 23:18
名前: レイミ ◆ikPmItD7Os (ID: LpcnUUvD)

◇五年前◇

星脈エーラでは、レメリア帝国の軍隊が破壊兵器<ルーイン>の設置をしていた。

クノーラ大陸の国々に、レメリア帝国脅威を自ら知らしめるためのものだった。

この時、誰もあんな大惨事になるとは思っていなかったからである。

そして今、ここに敵国であるディスイスカの精鋭数名が送り込まれている事も知らない。

この当時のレメリア帝国は、その程度の国だった。

その精鋭の中には、レキとレヴァの友達もいた。

名はネロ・ヴィッジ。

クノーラでは、名の知れた腕利きだった。

「ネロ。隊長らしき女を見つけたぞ」

ネロのそばに来て話す男———————ゲイル・デウォン。

彼もレメリア帝国の行動監視の為に送り込まれた精鋭の一人であった。

「そうか・・・・・・。で・・・どいつがそうなんだ?」

ネロがそう言うと、ゲイルはそれらしき女の方を指差す。

ゲイルの指差す方には、そこらの兵とは違う、丈夫そうな高貴な人間が着るような服を纏った騎士がいた。

「あいつか」

ネロが言うと、レメリアのとある兵の声が響き渡って聞こえた。

「<ルーイン>の設置が完了しました!!」

(いよいよだな)

ネロはそれを聞きながら思う。

表情は口に少し笑みを浮かべただけで、目は真剣そのものだった。

「あの隊長の名は、イリオ・ティスレーヴ。剣舞の達人っていう噂があった気がするな」

「お前は相変わらず噂好きだな」

「ははっ。別に良いだろう?こういう情報が普通に入ってくるんだ。捨てたもんじゃねェだろう?」

「ははは・・・お前って奴は——————————」

ネロが呆れながらもレメリアの様子を見ていると、新たな動きが見られた。

なんとそこに、レメリア帝国の皇帝が現れたのである。

「イリオ。<ルーイン>はどうなった」

「ギヴィン陛下。<ルーイン>の設置は完了、いつでも爆破可能です」

イリオはそう言うと、1つの石を取り出した。

見るからに、人工的に作られた石なのだろう。

あの石に魔力を送り込むだけで、爆破のスイッチが入る仕掛けになっているように見えた。

「では早速、爆破をしてみようではないか」

「そうですね。では、少し離れてからしましょう。でないと、こちら側に危害が及びますので」

イリオの言葉に頷きギヴィンは下がる。


そして、何のためらいもなく、魔力を送り込んだ。

するとその瞬間、<ルーイン>は大爆発を起こした。

そして——————————始まった。

これは、悲しい記憶達。

ネロもゲイルも、それに巻き込まれた。