ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第8策 ロシアン・ルーレット ( No.15 )
- 日時: 2010/07/31 15:45
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
ガタン! と言う段差を自転車で通った時のような振動で童子の眼が覚めた。
暗い……?
状況を整理しよう、戦闘に負けたところで意識が飛んだんだ、恐らく今居るのは輸送トラックか何かの中、両手に手錠とは用心深い事だ。
「眼が覚めたのかい坊ちゃん、大人しくしてな、悪いようにはしねぇ」
目の前を見ると見張りの3名、恐らく捕まえるはずが逆に捕まったというのが最も正しい答えだろう。
「反抗したら?両足だけで君達3人くらいなら殺せるけど……?」
童子は見張りに噛み付くが、見張りはただ笑うだけ。
何が可笑しい !?
「坊ちゃん、黒薙 童子つうんだって?昔組織に居た黒薙 千次を思い出すぜ、あの馬鹿、組織を抜けたんで家族ごと殺したんだが、まだ生き残りが居たとはなぁ」
生徒手帳を見せながら童子に言い寄る。
素性がばれた!
しかしその後、黒薙 千次が問題だ。
童子の父親である黒薙 千次を何故こいつ等が知っている !?
天才の脳に予想だにしない答えに対する混乱が生じる。
「まさか、大神家の惨殺も君等じゃないだろうな!」
童子の声は怒りに震えていた。
無理も無い、犯人が捕まったハズだったのだ、捕まった犯人以外にも共犯が複数居たという事、これは見逃す事など出来はしない。
「狼?あぁ、大神家は確かに俺らが、特に俺が関わった。魔術研究の資料が腐るほどあってな。資料は完全に回収し、大神 炎の脳内に残ったデータが社会に発表されたら困るんで焼き殺した。今思えば残念な奴を失ったもんだ」
黒薙家と、大神家は、こいつ等の組織に消された !?
こいつ等は組織、そして毒トカゲと共に居たという時点でAクラス犯罪者を特攻のような仕事に回している、つまりはこの組織で保有されている犯罪者の数は多く、SSクラス以上の者が指揮を取っているのだろう。
つまり、こいつ等の組織は大きく、裏では有名な物に違いない。
「ボクをどうするつもり?」
これは聞かねばならない必須事項だが、教えてくれるとも限らない。
だが、今回は教えてくれるようだ。
「俺らの組織、ジョーカーのボスが直々にお前等に会いたいそうだ。どうも天才を集めてるらしいぜ?お前等は何かの天才だと踏んでどうも毒トカゲのネーちゃんを餌にした釣りをしたんだと。見事に釣られたな、お前等。ボスの事だ、断ってもロシアンルーレットを度胸試しにやったくらいで返してくれるだろうよ、気が変われば良い、そんな考え出しな、あのボスは」
ロシアンルーレット……今も正にそんな状態だ、正しい質問で正しい答えを聞きだす。
間違ったら、見張りと言う名の銃から死が打ち出されるのだ。
「そう、じゃあ大人しくしとくよ」