ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第11策 武器 ( No.18 )
- 日時: 2010/08/04 10:36
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
部長の演説(?)が終わり、皆が部室を出ようとした時だった。
「チョイ帰るの待て」
部長が再び部員を呼び集める。
その理由は、ある意味嬉しい知らせであり、嫌な知らせでもあった。
「今から皆で地下行くで!向こうはきちんとした武器をもっとる、こっちも対抗してきちんとした武器もたな」
そう言うと、全員がまだ乗っていた部室のカーペットを軽々と引きずり、龍の像の目玉とまぶたのわずかな境目にあったスイッチを起用に小指で突くと、龍の像は痛がるかのように後ろへ下がると足元の隠し扉をあらわにした。
大神が童子を呼びに言った時、目潰しをしたのはそのためだ。
「ほな、はよ行きいや」
見事に部長がカーペットを翻し、扉の中にカーペットに乗せていた部員達を有無を言わさずに投げ込んだ。
やっぱり、この部長は性格的に問題があるな……。
全員が全員、階段を転がり落ちて行ったのだが、大神だけは運動神経が半端ではなく、途中で段を利用して一気に飛び上がると空中で1回転して見事に着地し、後ろからついて来る部長をぶん殴っているのが一瞬見えた。
部長、お大事に。
地下室は暗い。
それ以外の言葉はまったく無く、ただ暗いと言うのが当てはまる。
パチン!と言う音と共に明りがつく、つけたのは部長だ。
その明りの点いた眼の先には、前にはまだ無かった地下への通路が堂々と大きく口を開けていた。
「これより地下は時が来たら行っていい。でもいまはまだ早すぎる」
そう言うと、部長は壁の方へ歩いて行き、紅いレバーを引くと、ガシャン!
と言う音と共に壁が回転し、銃が、ナイフが、ありとあらゆる種類の武器が出現した。
「理事長説得するのに3時間も掛ったで、ホンマしんどかったわ」
その部長がしんどい思いで3時間理事長を説得したのが今、大きく戦力を上げる糧となっている。
部長の性格は悪いが、頼りになると今改めて思った。