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第14策  水鉄砲の大戦争【童】 ( No.32 )
日時: 2010/08/07 13:34
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)

水鉄砲による抗争が始まって数分、面倒くさがって自ら水鉄砲に直撃した異音を除いては誰一人としてゲームオーバーになった者は居なかった。
童子に関しては木の死角から狙い撃ちするつもりが、日陰で風が程よく当たるのと、前日の寝不足で寝ていた。
そんな童子の寝言が周囲に存在を知らせる事となってしまった。

「止めてくれよ、止めろよ、殺す殺す殺す……。殺してやるよ!」

殺してやるよ!と言った時だった、水鉄砲の水が木の葉に直撃、ビビビッと言う音と共に童子が水鉄砲の銃口を音の元に向け、そこから導き出した狙ったであろう場所へと向け変えた。
そして発射。

「うわぁッ! イケ面フェイスがぁぁぁ!」

声からして当たったのは鏡……法泉……?
何故だ?何故此処にいる?
携帯電話で部長に文句をたれる攻撃を即決行。
もちろん童子は呆れ声、部長は完全に楽しんでいる。

「部長、馬鹿が紛れているんですが……」

『鏡君?ああ、呼んだで。鏡君VIPキャラやからアウトは無いで』

アウトが無い !?
ふざけるなよ!おい、まてや、コラ!
と言おうとしたが、そんな勇気は無いし、そう言わせる間もなくブチン!
と言う音と共に電話が切れ、その後かけても音信不通となってしまった。
直ぐに備えやがる、あの部長目が。
それに、やられた時の鏡の口調……イラッと来る。

「喰らえ童子く……ん……?」

水鉄砲を構えた直後、見事な体勢で木から飛び降りながらの童子の強烈な飛び膝蹴りが鏡の顔面を捉え、鼻をへし折る。
そして、そのまま軽く5mは吹っ飛び後ろの池へ落ちた。
池の水は汚く、臭い亀が居る、最悪3ヵ条が揃ったような所だ。
気絶したらしく、反応が無い。
幸い池の水位が低かったため、顔が出ている状態だ。

「来るな、変態!」

童子は自分で言い放った言葉にすら軽くビビッて居る。
その童子を遠くから見ていた人物が1人。

「童子クン……み〜っけ」