ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第17策  人間と言う生き物 ( No.39 )
日時: 2010/09/03 17:46
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)

パソコンの画面を覗き込み、地下でブツブツと暗号解読をしている童子に黒い影が迫る。

「恐らくこれはⅩが一番大きいから29進法で……」

「Ⅹが最大と見せておいて実際はZまであったりして」

突然の後ろからの声に童子は完全にビビッて、漫画でいう石化状態と化した。
その声は落ち着いた口調のまま言葉を更に続ける。

「お前なぁ、難問の前でお手上げって……らしくねぇぞ?昔はもっと頭が良かったと思ったが……まあいい。俺の予想を言うとだな、情報吸収型のコンピューターウィルスの肥大版だ。……ッたくよォ、既に生きてる時点で何で生きてるかって難題と向き合ってんだ、そんな計算したら出るような答えに引っ掛かってんじゃねえ」

童子の石化が解けたらしい、後ろを見てビックリだ。
神狩 真……!
ζチームの切り札であり、この部内で大神と戦闘能力ではタメを張る超実力者だ。
何かの天才らしいが、部長の観察力を持ってしても分からない上、予想はほぼ的中、睨まれた相手は1週間後に死体で発見されると言う怪事件までもがついて回っているある意味生きる伝説だ。

「待ってよ、悪く考えるので悪いんだけど、それを見越して造ってる場合もあるんじゃない?」

え〜と、σの有島 優奈だったな。
カンが当たるので結構この辺では有名人で、マイナス思考さえなければモテると思うんだけどな……。

「じゃあ、カンでパスワードの文字数は?」

「4892桁、最初はw、最後が5、お前は如何だ?」

「私も同じ。で?童子君は?」

「解読して結論を出した上で更にその結論を解読すると答えは4892桁、最初はw、最後が5。合ってそうだね」

その答えを聞いて、真は小さく呟いた。

「コイツの脳みそはスーパーコンピューターかよ……。何でそんな桁の計算が出来るんだ !?」