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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第20策 死体の家【ボクの家】 ( No.42 )
- 日時: 2010/08/10 13:58
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
ザッザッザッっと言う足音と共に童子は帰宅した。
実際に家に帰ったのは童子のみで、神狩の催眠に掛ったままだけなので周囲には何も感じられないし、通った後の足跡も見えては居ないのだ。
恐らく、神狩や部員が殴りこみに行かないか見張っているか見張っていないかのカムフラージュとして残したのだろう。
足音を無視して童子は部屋の電気を点ける。
明りの照らしたのは、常人には身の毛もよだつ死体が幾つも転がったリビング、キッチン、寝室……。
「死体の家が僕の家で底にボクにしか聞こえない足音が聞こえたと来た、幽霊でもいる気分だな……」
そう文句を言うと、3回の部屋へと向かい、ベッドで眠りに落ちてしまった。
———————————————今から9年前黒薙家———————————————
身も凍る死体や血痕が何もかもカーペットから消え、幸せそうな家族が1人、また1人と童子の目の前で至るところから血液を噴出し、倒れていく。
いやだ、止めろよ……。
誰がこんな事を……?
誰が……!
そこで童子は自分の手をふと見ると、今まで倒れた家族の血に濡れ、真っ赤に染まっていた。
……そうか、ボクが殺したんだ。
「う"あ"あ"あ"あ"!」
それと童子に目覚ましが鳴り、童子は目を覚ました。
まだ手に感触が残っている、嫌な気分だ。
「そうだ、家族を殺したのは……ボクだ」
汗だくになり、強く拳を握る。
今日は幸い休日だ、部活を休んで散歩でもするとしよう。
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