ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第21策  ダイビング ( No.43 )
日時: 2010/08/11 14:01
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)

童子は目を覚ますと真っ先に目覚ましの電源を切り、パソコンへ向かった。
そのままキーボードを凄まじい勢いで叩き、とあるプログラムを起動させると幾つものセンサーを取り付けた改造ヘルメットを被り、エンターキーを叩いた。
するとそのまま学理と童子の肩が落ちる。
そう、電子世界にダイブし、インターネットに乗ってはっきんぐ目的の場所に行きハッキングを始めたのだ。
童子の頭脳が一度に行う情報処理量は市販のコンピューター500兆台に匹敵する。
そのため、膨大な情報を一気に流し込み一瞬で相手のコンピューターをクラッシュさせ、情報のみを取り出せる。
つまり、情報オーバーさせてショートさせるのだ。

「……あった」

今ハッキングしたのは全国の15年間前までの死者の名前、死因等を示した極秘情報であり、世間に公開される事の無いところを探っていた。

「9年前……場所は大白3丁目……」

必要な情報を見つけ、その情報もろとも童子の脳にダウンロードする。
その際の所要時間は約2秒、スーパーコンピューターをも遥かに凌駕する勢いだ。
そして見つけた情報の中から必要な情報を選り分け保存、不要な物は消去するのだ。

「次は……?何だ……あれ?」

電脳世界を飛びまわっていた童子の目の前に現れたのは、恐らくコンピューターウィルスなのだが、様子が可笑しい。
他のウィルスを喰らっているのだ。

「おい、何やってるんだ?」

取りあえずはコンタクトを試みるも、そいつは童子に襲い掛かると情報を喰いだした。

「この……ッ!」

ネット上での打撃攻撃、つまりはウィルスに対する反プログラムによる攻撃を起す!
それを……食べた !?

「マジか、キツイな」

ハッキング時と同じく直接触れて情報を無理に流し込む!
これでパンクするのだが、様子がどうも可笑しい。
ヤバイ、喰い付かれてる!

「まずいな、殺される!」

そのまま一気に強制終了しネット上、電子空間を離脱した。
アレは……この前捕まえた奴の新型か……?
そうだったらヤバイ、今度は情報を喰らって進化してる!

バンッ!

その考えが脳裏の過ぎった直後、童子は大きな音を立ててドアを突き抜ける。
早く学校の地下に置いたままになっているアレを解読しないと後で大変そうだ。