ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第26策 伊集院 ( No.52 )
- 日時: 2010/08/21 10:50
- 名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: aeLeTDX9)
童子、大神、神狩の3人でとある廃墟ビルの倉庫へ来ていた。
鬼神神社から数十kmは慣れたこのビルに東城が居る可能性が高いらしいのだが……、人影は愚か生き物の気配さえ無いこの場所に本当に居るのか?
その直後、
「何ぼさっと突っ立ってるんだ童子! 避けろ!」
と言う大神の咆哮と共に無数の鉄パイプが槍のごとく3人を狙い降り注ぐ!
それを避ければそこには地雷、更にはその爆発がスイッチとなり窓の外に設置されていた10口径機関砲が童子たちを狙い撃ちにした。
「お前等、この俺のアジトに何の用だ?」
現れたのは、紛れも無く東城だ。
何故僕たちを攻撃して来るんだ?
「おお、東城クンじゃあないか。……君、誰それ貰ったの?」
神狩が東城のペンダントを指差し、問い続ける。
「そのペンダントから変な波長の指令が出てるね、暗示をかけられたと見れるけど? 敵なら容赦なく壊すし、今の内にペンダントを壊すか、俺らを殺すか選びなよ」
その問いの直後、東城に動きがあった。
凄まじい速さで神狩との間の間合いを詰めると躊躇無く首切りバサミで首を切り落とした。
「俺は、東城じゃない。 伊集院だ、テメー等もこうなるかい?」
その言葉の直後、首の無い死体が東城の方に手を掛け、喋り始めた。
何時見ても気持ち悪いな、せめて催眠解けよ。
「酷いな、いきなり殺すのが君の礼儀か? じゃあ、俺はいきなり溺れさせる事にでもしようか? それとも火あぶりがいい?」
その言葉の直後に首の無い神狩の死体が指を鳴らすと、窓と言う窓を突き破り倉庫内に水が浸入した。
童子たちは比較的平気だ、東城は渦に巻き込まれてるから平気じゃなさそうだけど……。
「ココから火あぶりって、想像がつくか?」
何時の間にやら神狩は倉庫の屋根を歩き回り、東城の真上でニヤニヤとしながら指を鳴らした。
すると手から炎が水面へ走り、今度は水が一気に炎上、倉庫内は火の海と化した。
お前は何処の大佐だよ。
「ホント、メチャクチャだな」
「そう言わないで欲しいな、コレが俺の戦い方なのだよ童子クン。で……話は変わるが東城、そのペンダント、何処で手に入れた?」
その質問と同時に倉庫の扉が開き、黒い包帯の何者かが答えた。
「私が彼に与えたのだ、力が欲しいと言っていたのでね」
そいつを見たとたん、童子の表情が憤怒一色に染まった。
まるで今すぐにでも殺してしまおうかとでも言わんばかりの表情の童子の口から聞きなれない言葉が漏れる。
「テメェ……津堂 悟司か……?」