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第40策  危険な才能 ( No.88 )
日時: 2010/09/11 00:50
名前: 絶櫨 ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)

そいつが大神を直したように手も触れず壊した天井を完全に元通りにして数日。
童子たちは自らの異変に気づいた。
明らかに今までとは異質の能力が生活のどこかで無意識に使用された形跡があったのだ。
もちろん、能力を探し当てるのは簡単なことではなく、はじめは無意識にやってのけるため自ら気が付くのは極めて難しい。
しかし、使ったことが分かれば話は別だ、その痕跡をたどれば元が分かるのだから。

「思い出して見ると持っていた物はしょっちゅう自然発火して、入って1分もしないうちに風呂の湯の温度が設定時より上がっていることもあったな……。あの後温度調節に水が出て冷たかったっけ」

どうやら、体温の異常上昇か何からしい。
しかし、それと共に問題がいくつも浮かび上がった。
人間の体温は、45度を超えると肉体を形成する蛋白質が固まり、壊れるのだ。
つまり、童子の体が異様に熱いわけではないらしい。
すると考えられる要因はもうひとつ、2.45GHz以上の電磁波を体から放出していると言う考えだ。
2.45GHzの電磁波は、電子レンジに使われている物で、照射された物体を振動させ、発熱させるのだ。
更に言えば、風呂の水の推量からして4000wは軽く超える計算になる。
この能力、気が付いた配意が制御が出来ないと人を殺すだけじゃなく、自らの命さえ危険にさらす……!
そう直感し、童子は部長へと電話した。

「明日以降、学校及び部活動を休みます。誰もボクの家に近づかないようにいっといてください」