ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:はじまりは突然に。 ( No.1 )
日時: 2010/07/25 11:17
名前: 六 ◆BbBCzwKYiA (ID: A7lopQ1n)

「……お前何モンだ……ッ!」
「……路地裏の「朝峰静弥」つったら分かるか?」

パターン0:始まりは突然に。

俺の名前は朝峰静弥。どこぞの推理漫画みたいな始まり方なのは、まあ作者の文才のなさの所為で他の始まり方が思い浮かばなかったらしい。仕方ないと思ってくれ。 

話がそれたが、俺は……なんというかそっち側の世界?ではそこそこ有名な殺し屋らしい。実際、名乗ったら大抵の奴が物凄く驚く。……俺だってしたかねえよ、こんな仕事。
本来ならこの年齢だと青春まっただ中なんだろうが、この異常な運動神経がそれを許してくれない。ちなみに俺は今現在16歳。職業は……うん、さっき言った通り。

そんなこんなで俺は今、今回の標的の居場所に向かってるんだが、というか今着いたんだが。

「……何これ?」

その時俺が自分でも分かるほど阿呆面をしていたのは仕方のない事だと思う。
部屋の奥にある金庫はまあ見事に空っぽ。家主——多分俺の標的だった奴——は部屋のド真ん中で頭から血を流して死んでると来た。なんで分かったかって?そりゃ分かんだろ。あんだけ瞳孔開いてたら。

近くに長くてやたら太い木の棒がある事から、恐らくそれで殴られて死んだんだろう。……仮にもヤクザの組長の癖に、なんという阿呆な死に方。

「……あれ、キミそいつ殺しに来たん?」

そんな事をうだうだうだうだ考えていたら突然聴こえてきた声に糞真面目に物凄く驚いた俺を批判できる奴はきっといない。そう断言できるほどに気配が無かったのだ。そいつは。

「残念やねえ。もうオイラが殺しちまったんよ。おかげで手間が省けたけどな。」

そう言って笑いながら俺の目の前に出てきたそいつは……え、女?
聴こえてきた声はどう見ても(いや、見てないけど)男の声だったのに、視界に入ってきたのはどう見ても女だった。補足すると俺と同じ年位の。

腰くらいまである黒髪を項のあたりで纏め……ていうかどう見てもあれ面倒くさいからやりましたって感じだろ……ボサボサだし。目は緋色。ちなみに格好はセーラー服。……うん。外見はかなりの美少女。中身は知らない。

……つーか、今何て言った?

「……お前が殺した?」
「……そうやけど?」 

何か問題でもあったん?と首をかしげて聴くそいつに、俺がこれでもかってぐらいに脱力したのは言うまでもない。


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楽しいなこれ。