ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: `水中鬼ごっこ´ ( No.7 )
日時: 2010/08/01 23:42
名前: 黒蝶 (ID: /m68L9nQ)

「えーっと、やらないやぁ。って人はこっちにきてくださいッ!」

そういった者の誰もそのお姉さんのもとへは行きはしない。
お姉さんは片手を目の上に挙げて廻りを確認すると、一言言った。

「それでは、水中鬼ごっこのルールを説明します!ルールは簡単、鬼にタッチされないこと!タッチされたら手足に一㎏のおもりが課せられます!」

その一言で静かになった。
聞こえるのはコポコポ流れる水の音と————。

ギィィィィと音をたてて開く・・・

プールの底が。

「あ、い、いやぁぁぁぁぁぁぁ」

泳げない人だろうか、縁に一生懸命捕まっている。
他の人も助けている、が。

近くにいた・・・監視員だろうか。
その人が縁捕まっていた手を縁から離そうとする。
そして離れたとき。

「いやぁぁあああああっ・・・」

ゴポゴポッという音をたてて沈んでいく。
その監視員は男だろうか。
低く静かな声でこう言った。

「次手助けした奴がいたらそいつも落とす。」

そう一言いって離れていった。

周りからは「もういや・・・」という声も聞こえるが、止めたいと反発されてももう止められない。
それに最初に言った「やらないやぁ、って人はこっちにきてくださいッ!」つまり、逃げる時間はあったのに逃げなかった。