ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 守護者と少女と絶望と ( No.7 )
日時: 2010/08/06 15:00
名前: 月兎 (ID: QuEgfe7r)

第二話「あああああああああああ」

「あああああああああああ」

彼女は何の躊躇いもなくナイフを手首に近付けた。

「どこを切る?美しい死にかたで無いといけない!」
ナイフを机に何度も刺し自虐的に笑いながら言葉を発した。

今までとは違う言葉で—

「死にたくないのかもしれない」

全く行動とは違う言葉で声のトーンも低くなり違う人間のように一言。

だがすぐに自虐的な笑いは無表情へと変化していった。

「さぁ、そろそろ死にましょ、死んでみましょ」
どれが本当の彼女なのか全くわからない。

話し方はどれもが荊という女ではないように、コロコロと変わりやはり不気味としか言いようがない。

ナイフが手首に食いこみどんどん手首の色が変わっていく。

そのときだった—

『やめてください、だめです』

…と一人の青年の声が聞こえた。

「え、、、」
荊は、いや荊の姿をした誰だかわからない感情は驚いたようにナイフを見た。

「なんで、今は違うのに、今は`私`なのに」
呟くと先程までナイフであったそのものは鏡となって彼女の手に握られていた。

「カイリ、カイリ?」