ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜ZAME〜オリキャラ募集終了☆ ( No.26 )
日時: 2010/08/04 14:04
名前: 黒助 (ID: KF4wky37)

【04】


「宝探しゲームゥ!?」


ミスターXとの電話でそのように聞かされた翼は、綾乃と共にある場所を目指していた。
勿論、翼達は乗る気になれなかったが、何かしていないと落ち着けない状態なのだ。

「翼、徒歩で間に合うと思う?」

「・・・・連太郎に助けてもらうか・・・・?」

翼の言葉で、綾乃は動かしていた足を止めた。
関係のない人を巻き込むのは、綾乃が一番嫌がっている筈。
しかし、翼は綾乃の有無も聞かずに加藤連太郎に電話をかけ始めた。


『へ〜い。』

『連太郎?俺だよ、翼。』

『つ、翼ぁぁぁぁ!?お前、今どこいるんだよ!?』

連太郎の言葉は、明らかに翼を連続殺人犯と思っているような口調だ。
翼はとりあえず、簡単に連太郎に現在の状況を説明始める。

『あれは誤報だ。詳しいことは今話せないけど・・・とりあえず、連太郎のバイク貸してくれないか?』

『無理っすよ。俺の家にも警察が見回ってんだから・・・・・。』

『そうか・・・・・』



『・・・・・いや!!幼馴染のピンチを助けるこそが友人っす。どこに向かえばいいっすか?』

『ありがとう!!えっと・・・・とりあえず世田谷区の鳩木公園っていうところに来てくれ。』

『綾乃さんも一緒でしょ?車で行くっす。』


電源が切れ、翼は笑顔で綾乃を見た。
綾乃は少し浮かない顔をしてるが、翼は綾乃の肩に手を置いて優しく言う。

「今だけだ。誰かの力を借りないと、このゲームをクリアするのは困難だ。」

「・・・・・分かった。」

綾乃は納得すると、笑顔で翼の顔を見る。
そして、2人は鳩木公園へと足を進めたのだった。



──────



鳩木公園



ブランコにシーソー、アスレチックしかない殺風景な公園。
公園の入り口に着いた翼と綾乃は、アスレチックに隠れて連太郎が来るのを待つ。
そして、数分経った頃に一台の白いバンが公園の入り口で止まった。

「連太郎!!!」

「翼!!綾乃さん!!」

運転席から出てきたのは、革ジャン、サングラス、金髪ヘアーの連太郎だった。
翼は連太郎に駆け寄ると、思わず抱きついてしまう。

「ありがとう!!本当にありがとう!!」

「わ、分かったっすから。とりあえず車に乗って。」

翼は綾乃を呼び、2人は後部座席に乗り込んだ。
連太郎は一度辺りを見渡し、それから運転席に乗り込む。
エンジンをかけ、3人を乗せたバンはその場から走りだした。


*******


「で、どこに向かうつもりっすか?」

連太郎の質問に、思わず2人は顔を見合す。

「旧渋谷警察署に行ってくれ。」

「はぁ!?」

翼の言った旧渋谷警察署。渋谷にある地域警察のことだが、実はある事件が起きて廃墟となっている。
現在は新しく建てられた新渋谷警察署があるが、ミスターXはなぜか2人を旧渋谷警察署に呼び出した。

「あいつは、一体なにが目的なんだ・・・・」

「あいつって・・・・誰っすか?」

つい口に出した翼の言葉に、連太郎は首を傾げる。
翼は一瞬話そうとしたが、これ以上巻き込むのは危険と思い説明はしなかった。

「にしても、翼が殺人犯に陥れられるなんて・・・・」

「まったくだよ・・。俺はいつも運がない。」

「そうでもないっすよ。翼は運が良い時は良いんだから。」

「おいおい!!」

連太郎と話すことにより、翼と綾乃は少しの間だけ至福の時を過ごせた。
しかし、2人はまだ気づいていなかった。

これから襲いかかる_________


恐怖に________



──────


連太郎、翼、綾乃を乗せたバン後方


一台の黒い車が、3人の乗ったバンをついてきていた。

「やはり、俺が睨んだ通りだな。」

運転席には水城、助手席にはパートナーである高橋啓介が乗っている。
高橋は眼鏡に髪はクシャクシャ、見るからに草食系の男だ。

「先輩、応援呼んだ方が・・・・・」

「ダメだ。奴らが目的地に着いたら連絡をする。ばれては水の泡だからな。」

水城はバンを見つめながら、あることを考える。

「しかし、逃げているとは思えないな。なぜ、早く都内から出ないのだ?」

「・・・・用事があるとか?」

「奴は犯罪者の身だぞ。用事で寄る場所などないだろう。」

水城が高橋に強く言うと、高橋は口を瞑らせ考え込む。
水城はこの時、カールの言葉を思い出していた。





「今回の事件は、何か嫌な匂いがする」





「まさかな・・・・・」

水城は自分にそう言い聞かせ、ハンドルをきったのだった。