ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜ZAME〜6話UP☆ ( No.37 )
日時: 2010/08/11 10:32
名前: 黒助 (ID: AidydSdZ)

【07】

警察を追い払い早くも1時間が経っていた。
パトカーを適当なパーキングエリアに止め、連太郎と翼は車から降りる。
車内には、手足を縛り動けなくなった水城だけが残っていた。

「とりあえず、俺の家に行きましょう。一人暮らしだし、別に遠慮はいらないっす。」

「分かった。こいつは・・・・このままにしておくか。」

翼は水城を見ながら言う。水城は未だに気絶している。
翼と連太郎は顔を合わせると、その場から急いで立ち去った。


─────


「くそ・・・・」


2人が立ち去った直後に、水城はゆっくりと目を覚ました。
閑散としたパーキングエリアには誰もいない。
無論、車内には水城ただ一人。

「あいつら・・・絶対に俺が捕まえてやる・・・・・」


─────


走って約10分。翼達は連太郎の自宅であるアパートに着いた。

「1階の一番手前っす。」

連太郎はそう言うと、アパートの中に入ってすぐ傍の部屋の前に立ち、鍵を開けた。
翼も後を追い、急いで連太郎の自宅へと入り込んだ。
連太郎の家の中は、意外にも綺麗に掃除されており、塵ひとつないと言ってもおかしくはない部屋だ。

「どうする?あの男、確か関東中央留置所に連れて行くって言ってたっすよね?」

「・・・・あぁ。確か、目黒区の離れた場所にあるところだよな?」

翼が連太郎に聞き返したその時だった。


ピリリリ♪ ピリリリ♪


2人の会話を遮るように、翼の携帯が鳴り響く。
相手は、なんとなく誰か分かっていた。

『はい?』

『どうやら、君だけが逃げれたらしいね。』

『お前!!宝探しゲームなんて嘘言いやがって!!!』

『ふふっ・・・まぁ忘れてくれ。どうだい?ZAMEの感想は?』

『ふざけんな!!!お前、一体どこにいやがる!!!』

『・・・・次の課題をクリアすれば、ヒントを与えてやろう。』


ミスターXのその言葉に、翼は一瞬躊躇う。
しかし、綾乃の笑顔が頭に思い浮かんだ瞬間、決心した。


『分かった。でも、嘘はなしだ。』

『よし、では最初の課題を出そう。今から96時間以内に、宮本綾乃を救い出せ。』


『な、なに!?』


ミスターXの言葉に、翼は思わず口に出して驚く。
お前のせいで、綾乃が捕まったんだぞ!!と、言いたかったが、翼は我慢して説明を聞く。


『もし、課題に失敗すれば宮本綾乃の命はない。それは最初に言っただろ?』

『汚い奴だな・・・・絶対にクリアしてやるよ。』

『ふふっ。健闘を祈る。あ!後、これだけは言っておこう。』





『ZAME参加者は、君だけではない。』






ガチャ! プー プー





翼は、ミスターXの最期の言葉をどう受け止めればいいのか分からなかった。
参加者・・・・ほか・・・・・

「こいつは、一体何がしたいんだ?」

翼はミスターXの始めた‘ZAME’の存在理由が分からない。

こいつは、なんで俺を選んだ?

ほかに参加者がいる?

なぜ、綾乃や連太郎が巻き込まれる?


もう、分からない。






しかし、これは始まりに過ぎない。




ZAME「ゲーム」は、まだ始まったばかり________